NBAファイナル第6戦は、ゴールデンステイト・ウォリアーズのホームであるオラクル・アリーナへ再び舞台を移します。
依然として3勝2敗と初優勝に王手をかけているトロント・ラプターズ、第5戦の終盤に逆転劇を見せたゴールデンステイト・ウォリアーズ…
第6戦で注目すべき5つのポイントを、早速見ていくことにしましょう。
ラプターズの万遍ない得点力
チーム全体の得点力に関しては、明らかにラプターズの方に分があるでしょう。
ここまでの5試合で、1試合あたりの平均得点が多い選手10人の内訳は、ラプターズが7人、ウォリアーズが3人となっています。
さらに、ラプターズはそのうち6人が平均二桁得点を記録しているため、万遍なく得点が出来ていることが分かります。
ポジション別の平均得点も見てみましょう。
ポジション | ラプターズ | ウォリアーズ | アドバンテージ |
ガード | 38.2 | 68.8 | ウォリアーズ(+30.6) |
フォワード | 70.0 | 32.8 | ラプターズ(+37.2) |
センター | 24.4 | 14.6 | ラプターズ(+9.8) |
ラプターズはカワイ・レナードとパスカル・シアカムを中心としたフォワード、ウォリアーズはステフィン・カリーとクレイ・トンプソンを中心としたガードの得点力が気になりますが、センターでラプターズがウォリアーズを10点近く上回っていることも注目に値します。
ウォリアーズは第6戦でもカリーとトンプソンに頼らざるを得ないのに対し、ラプターズは多くのオプションから平常通りに得点を積み重ねることができれば、勝機は十分にあるはずです。
新記録は頻繁に起こるものではない
第5戦でウォリアーズはファイナル新記録となる20本のスリーポイントシュートを成功させています。
一方でラプターズは8本の成功だったにも関わらず、最終的な点差はわずか”1点”でした。
それは、ラプターズがツーポイントシュートとフリースローで着実に得点を重ねたからに他なりません。
ラプターズはツーポイントシュートで69.7%の成功率を記録し、フリースローの成功数でもウォリアーズを11本上回っています。
ウォリアーズはツーポイントシュートを決められすぎましたし、フリースローも与えすぎました。
NBA新記録のようなものは頻繁に起こらないことを考えると、多くを改善すべきはウォリアーズの方になるでしょう。
最大の脅威はクレイ・トンプソンかもしれない
ラプターズが最も警戒すべきはステフィン・カリーかもしれませんが、それと同じくらいクレイ・トンプソンにもプレッシャーをかけるべきです。
トンプソンは、このシリーズでスリーポイントシュート成功率57.1%という脅威的な数字を記録しています。
第2戦の左ハムストリング負傷は、もはや何の意味もありません。
そして思い出してください…
2勝3敗で迎えた2016年のカンファレンス決勝第6戦、彼は何本のスリーポイントシュートを決めたでしょうか?
クラッチタイムに強いのはウォリアーズ
イースタン・カンファレンス準決勝第7戦、ラプターズのカワイ・レナードのブザービーターが強く印象に残っているかもしれませんが、おそらくクラッチタイムで強いのはウォリアーズでしょう。
特にこのプレイオフでは、第4クォーター残り3分かつ5点差以内の状況で、その違いは大きく表れています。
ウォリアーズは上記の条件でスリーポイントシュート成功率が44.4%であるのに対し、ラプターズはわずか15.4%であり、これはカンファレンス準決勝以降に進出したチームの中で最も低い数字です。
第5戦でも、その違いは顕著に表れたと言えるでしょう。
残り3分から両チームが3本ずつスリーポイントシュートを放っており、ウォリアーズが3本とも決め、ラプターズが全て外しています。
ウォリアーズの集中力
ウォリアーズが第6戦に懸ける集中力は、おそらくこの5年間で最大のものとなるでしょう。
理由は主に3つあります。
ケビン・デュラントのアキレス腱断裂、正真正銘最後のオラクル・アリーナでの試合、負ければ終わりという事実…
デュラントは自身の怪我を顧みず、チームのために身を捧げました。
47年間、様々な瞬間を送ってきたオラクル・アリーナで試合を行うのも、これで最後です。
3連覇を成し遂げたければ、もう一つの敗戦も許されないことは変わりません。