近年、契約にオプションを組み込むことはNBA全体に広がっており、スター選手の多くは契約に”プレイヤーオプション”を付けています。
プレイヤーオプションとは、チームとの契約の最終年を保証して残留するか、それとも破棄してフリーエージェントになるかを、選手自身で決められる選択権のことです。
しかし、プレイヤーオプションの決断は多く要因が関係することによって常にトリッキーで、加えて今シーズンは新型コロナウイルスによる経済的影響もあるため、事態はさらに複雑になっていると言えるでしょう。
自身の市場価値が下がっている可能性があるため、無難にプレイヤーオプションを行使するのか――チームを信頼していることを理由に、市場価値を下回ってでも長期的な再契約を結ぶのか――良い成績を残した見返りに、より高額な契約を探すのか――とはいえ、チームのキャップスペースに余裕が無ければ、高額な契約を結ぶのは難しくなります。
ここでは、そうした複雑な来シーズンのプレイヤーオプションを抱えている選手の中でも、特に注目したい3選手を見ていくことにしましょう。
目次
ゴードン・ヘイワード(ボストン・セルティックス)
今シーズンの成績
17.3得点、6.5リバウンド、4.1アシスト
来シーズンのプレイヤーオプション
3,190万ドル
シーズン開幕前はプレイヤーオプションを行使することが当然のように思われていたヘイワードですが、今シーズンは深刻な足の怪我をする前に在籍していたユタ・ジャズ時代の輝きを取り戻しつつあります。
ヘイワードはまだ自身のプレイヤーオプションについてどうするか決めていませんが、マイアミ・ヒートやアトランタ・ホークス、シャーロット・ホーネッツといったキャップスペースを持つチームが、ヘイワードと次の一歩を踏み出すことを感じていたとしたら、彼は大きな契約を結ぶためにフリーエージェントとなる価値が十分にあるでしょう。
しかし、その大きな契約でもどれほどの価値があるのかは分かりません。
あるいは、セルティックスと長期的な再契約を結ぶという考えもありますが、それはヘイワードが他のチームで得られる契約よりも低い価値となる可能性があるため、注目したいところです。
デマー・デローザン(サンアントニオ・スパーズ)
今シーズンのスタッツ
22.2得点、5.6リバウンド、5.6アシスト
来シーズンのプレイヤーオプション
2,780万ドル
ウェスタン・カンファレンスのチームへトレードされて2年間、オールスターの出場機会が無くなったデローザンですが、それでも彼の一貫した生産性はスター級であり、彼のプレイヤーオプションの行方は多くのチームが注目しているでしょう。
しかし、新型コロナウイルスの影響で来シーズンのサラリーキャップが大幅に減った場合――すなわちチームが使えるお金が減った場合、デローザンはプレイヤーオプションを破棄しにくくなるかもしれません。
なぜなら、彼の3ポイントシュートをほとんど打たないプレイスタイルは現代のNBAに適合したものとは言い難く、他チームは減給を望む可能性が高いからです。
そのため、デローザンがスパーズを離れることを本気で望んでいない限り、彼にとっては2,780万ドルのプレイヤーオプションを行使する方が賢明だと言えるでしょう。
アンドレ・ドラモンド(クリーブランド・キャバリアーズ)
今シーズンのスタッツ
17.7得点、15.2リバウンド、1.9スティール、1.6ブロック
来シーズンのプレイヤーオプション
2,540万ドル
ドラモンドの市場価値は、誰よりも未知数だと言えるかもしれません。
ドラモンドのスタッツを見れば、マックス契約ではないにしても大きな契約を結ぶ価値はあるように思えますが、デトロイト・ピストンズがキャバリアーズへ彼をトレードした時、その価値を垣間見ることができました。
[kanren postid="17524"]もし、キャバリアーズがピストンズへ送ったドラモンドの見返りが対等なものであったとした場合、彼の市場価値は2,540万ドルを下回ることになるでしょう。
しかし一方で、今シーズンのフリーエージェントは例年に比べて選手層が薄いと考えられているため、ドラモンドをトップクラスのフリーエージェントとして見なしているチームもあるかもしれません。
マックス契約に近い契約を結べる可能性もあれば、失望するような契約しか提示されない可能性もあるため、これはドラモンドにとって難しい選択だと言えます。
【投票】
- デマー・デローザン 38%, 80 票80 票 38%80 票 - 38%
- ゴードン・ヘイワード 37%, 78 票78 票 37%78 票 - 37%
- アンドレ・ドラモンド 25%, 54 票54 票 25%54 票 - 25%