新型コロナウイルスの影響によって3月11日にNBAのシーズンは中断を余儀なくされましたが、シーズン再開の最終決定は目前に迫っています。
ここでは、2019-20シーズンの再開に関する詳細をQ&Aの形でご紹介しましょう。
シーズンの再開はいつから?
NBAは7月30日にシーズンの再開を目指しています。
『USA Today』のジェフ・ジルジット記者によれば、チームは再開の2~3週間前にトレーニングキャンプを行う予定です。
どこで再開される?
全試合がフロリダ州オーランドに位置するウォルト・ディズニー・ワールドで行われる予定です。
チームを収容するのに十分な敷地があるほか、ESPNワイド・ワールド・オブ・スポーツ・コンプレックスには、無観客試合を行う上で必要な設備が揃っています。
公式発表はまだありませんが、NBAはディズニーと交渉を進めており、詳細はまもなく発表される模様です。
シーズンを再開させるチームは?
以下の22チームが再開します。
現在のプレイオフ進出圏内にあるイーストの8チーム
- ミルウォーキー・バックス
- トロント・ラプターズ
- ボストン・セルティックス
- マイアミ・ヒート
- インディアナ・ペイサーズ
- フィラデルフィア・76ers
- ブルックリン・ネッツ
- オーランド・マジック
現在のプレイオフ進出圏内にあるウェストの8チーム
- ロサンゼルス・レイカーズ
- ロサンゼルス・クリッパーズ
- デンバー・ナゲッツ
- ユタ・ジャズ
- オクラホマシティ・サンダー
- ヒューストン・ロケッツ
- ダラス・マーベリックス
- メンフィス・グリズリーズ
現在のプレイオフ進出圏外にある6チーム
- ポートランド・トレイルブレイザーズ(ウェスト)
- ニューオーリンズ・ペリカンズ(ウェスト)
- サクラメント・キングス(ウェスト)
- サンアントニオ・スパーズ(ウェスト)
- フェニックス・サンズ(ウェスト)
- ワシントン・ウィザーズ(イースト)
シャーロット・ホーネッツ、シカゴ・ブルズ、ニューヨーク・ニックス、デトロイト・ピストンズ、クリーブランド・キャバリアーズ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、ゴールデンステイト・ウォリアーズは、強制的に2019-20シーズンは終了となります。
30チームではなく22チームを再開させる理由は?
全30チームを再開させることは、新型コロナウイルスの感染リスクをさらに高めることを意味します。
したがって、シーズンが正常に行われていたとしてもプレイオフ進出の望みが薄かった8チームを、NBAは再開させる必要性がないと判断しました。
16チームではなく22チームを再開させる理由は?
22チームで再開させると、主に以下のメリットがあるためです。
- チームは直接プレイオフに進出せず、レギュラーシーズンから再開することができる。
- プレイオフ進出を懸けたトーナメントを試すことができる。
1つ目に関しては、プレイオフ圏内にあるチームの選手が、直接プレイオフに進出することに反対したためでもあります。
彼らはプレイオフに臨む前に、レギュラーシーズンで試合の感覚を取り戻したいと考えています。
また、これらのチームはローカルテレビ局との契約である70試合を完了させることもできます。
プレイオフ進出を懸けたトーナメントや、シーズン中のトーナメントは、NBAコミッショナーのアダム・シルバーが導入を検討していたものであるため、今年の異例の事態はNBAに絶好の機会を与えることになりました。
再開されたレギュラーシーズンの試合数は?
『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によれば、各チーム8試合ずつ、全88試合が行われます。
レギュラーシーズン終了後、各カンファレンスの上位8チームがプレイオフに進出する?
場合によって異なります。
第8シードと第9シードが4.0ゲーム差以上であった場合は、上位8チームが自動的にプレイオフ進出を果たします。
しかし、第8シードと第9シードが4.0ゲーム差以内であった場合は、その2チームによってプレイオフ進出を懸けたトーナメントを行うことになります。
そのトーナメントの対戦方式は?
3試合制のシリーズのようなものですが、第8シードのチームが第1戦に勝利したという時点から開始されます。
つまり、第8シードのチームは残りの2試合のうちどちらかに勝利すればプレイオフ進出が決定し、第9シードのチームは両方の試合に勝利しなければなりません。
プレイオフに進出する16チームが決定した時、成績によって再シードされる?
されません。
各カンファレンスごとに第1シードから第8シードまでが7試合制のシリーズで競う、従来のプレイオフが開始されます。
選手の安全を確保するためのプロトコルは?
シーズン再開に関わる選手、コーチ、スタッフは、頻繁に新型コロナウイルスの検査を受けることになっています。
NBAはさらに、以下のような安全対策をいくつか導入する可能性があります。
- 選手はアリーナではなく、ホテルでシャワーを浴びる必要がある。(『The Athletic』のシャムス・シャラニア記者より)
- 出場登録されていない選手はスタンドに座り、登録されている選手はベンチで間隔を空けて座る必要がある。(シャラニア記者より)
- 選手はプレイオフが開始されるまで、ディズニー・ワールドにゲストを連れてきてはならない。(シャラニア記者より)
- 選手やコーチは屋外のレストランでの食事や、ゴルフをすることができるが、ソーシャルディスタンスを保たなければならない。(『ESPN』のラモナ・シェルバーン記者より)
- ディズニー・ワールドの従業員は選手の部屋に入ることができず、通路は混雑が起こらないように管理される。(シェルバーン記者より)
- 選手はディズニー・ワールドから離れることができるが、戻る際には検査を必要とする。(レイカーズのダレッド・ジャドリーより)
選手が新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示した場合はどうなる?
3月のユタ・ジャズのルディ・ゴベアに陽性反応が出た時のように、一人の感染確認でシーズンが中断されるとは考えられていません。
しかし、実際に出た場合の詳細についても明らかになっていません。
『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者は、陽性反応が出た選手は一定期間の自己隔離を受ける必要があり、チームメイトはプレイを続けながら頻繁に検査を受ける必要があると伝えています。
シーズンはいつ終わる?
NBAファイナルが第7戦まで行われた場合、第7戦は10月12日(日本時間13日)に予定されています。
来シーズンはいつ始まる?
NBAは2020-21シーズンの日程を公式発表していませんが、12月中旬から下旬(おそらくクリスマスの日まで)には始まる可能性が高いと考えられています。
また、オフシーズンの期間が従来と同じとも限りません。
来シーズンは全日程が行われる?また、変更された場合の日程は永続的?
こちらも未定です。
ただ、NBAは今シーズンに失った収益の一部を取り戻そうとすることもあり、82試合全てを完了させることを優先している可能性があります。
12月にレギュラーシーズンを開幕させ、6月にプレイオフの開始、8月にシーズンの終了というアイデアは一部で話題になっていますが、NBAは永続的に日程を変更することを発表していません。
今年のドラフトとフリーエージェントはいつ?
暫定的な日程はこちらから確認できます。
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NBAの2020年の暫定的な日程まとめ【最新版】
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ドラフト抽選の当選率はどうなる?
以下のように決定されます。
- オーランドでのシーズン再開に含まれていない8チームは、成績が低いチームから順に全体1位指名権の当選率が高い上位8チームとなる。
- プレイイン・トーナメントが行われた後のプレイオフに進出できない6チームは、9位~14位としてドラフト抽選の対象に含まれる。その際の全体1位指名権の当選率は、3月11日終了時点の成績に基づいて決まる。
- プレイオフに進出する16チームは、今後8試合のレギュラーシーズンが終了した後の成績が低いチームから、順番に指名権を得られる。
選手のサラリーと、来シーズンのサラリーキャップへの影響は?
レギュラーシーズンの88試合が行われ、多くのチームがローカルテレビ局との70試合の契約を確実に履行できるのは良いニュースです。
しかし、本来行われるはずであった残りの171試合が中止となれば、今シーズンの選手のサラリーが一部減少する可能性は高いでしょう。
2020-21シーズンのサラリーキャップに関しては、リーグと選手会がどのような交渉をするのか、来シーズンの収益も新型コロナウイルスに影響されるかどうかの予想によって、変化すると考えられます。
リーグも選手会も来シーズンのサラリーキャップが大幅に減少することは望んでいないため、人為的に調整を行うことが最善の解決策かもしれません。