2018年のドラフト全体1位指名であり、フェニックス・サンズでキャリア2年目を過ごすセンターのディアンドレ・エイトンにとって、2019-20シーズンの中断は大きな恩恵を得られたと言ってもいいでしょう。
エイトンは3月3日(日本時間4日)のトロント・ラプターズ戦で足首を負傷し、シーズンの残りを欠場することになるかもしれないという可能性も出ていましたが、シーズンの中断は彼にオーランドで再びプレイする機会を与えてくれました。
『Arizona Republic』のデュアン・ランキン記者によれば、25試合の出場停止処分と10試合の負傷離脱によって今シーズン30試合しか出場できていないエイトンは、再びコートに戻れることに喜びを感じていると語っています。
「本当にワクワクしている。AAUのシーズンに戻った時のようだ。(シーズンを再開させる)チームの一つとして選び、機会を与えてくれたリーグに感謝するよ」
ただ一方で、新型コロナウイルスの感染防止のために選手やスタッフは隔離されていたことで、エイトンはリハビリに苦労したことも明かしました。
「隔離されていたから、僕に会いに来れずに連絡が取れなかったのが大変だった。FaceTimeをやっている人もいたけど、他の人との通話で忙しい人もいるんだ。本当に大変だったけど耐えたよ」
運動やリハビリに加え、シーズン中断期間を利用してエイトンは家族と充実した時間も過ごせたようです。
「一緒に居ることを楽しみ、妹とも仲良くなることができた。妹は僕の前では少しシャイで、僕のことはあまり知っていなかったんだけど、個人的な生活で家族と一緒に過ごすことによって、その隙間を埋めることができた」
また、『NBA 2K』シリーズのファンのであるエイトンは、シーズン中断期間中に存分にビデオゲームに興じることができたことにも満足しており、「高校時代に戻ったような気がした」と語りました。
「一日中『2K』を遊んでいたよ。寝ない時もあった。皆にジムに行こうとせがまれていたけど、自分のスケジュールに合わせて決めていたよ。隔離期間中はバスケットボールを後回しにしていたけど、そこで負荷を減らすことができた。だからこそ、その分エナジーが湧いてきたんだと思う。世界が元に戻る時を待っていた」
世界が正常な状態に戻るにはまだ長い道のりがありますが、健康を取り戻したエイトンにとっては、サンズが2010年以来初めてプレイオフに進出するチャンスを持っています。
エイトンは「ありがたいこと」と語りました。
「自分たちのチャンスを積極的に捉え、活用しなければいけない。僕たちがこれから何をしていくのか、何ができるのかを示すために、このエネルギーをチームに届けることが待ち遠しい」
また、エイトンは3ポイントシュートにも取り組んでいることを明かしました。
「僕は3ポイントシュートをミッドレンジショットのように放っている。言ってしまえば、あれはミッドレンジショットだ。他にも、ドリブルをしてテンポを上げようとしている。もっとオフェンス面の脅威になるためにね」
キャリア通算3ポイントシュート試投数7本、成功数0本のエイトンが3ポイントシュートを打つことは興味深く、それが成功し始めれば間違いなくサンズの大きな武器となるでしょう。
サンズはシーズンを再開させるウェスタン・カンファレンスのチームの中で最も低い成績であり、ウェスト8位のメンフィス・グリズリーズとは6.0ゲーム差が開いています。
彼らの間にも4チームが存在するため、わずか8試合でサンズがプレイオフ進出のチャンスを掴むことは極めて困難な課題だと言えるでしょう。
それでも、再び2019-20シーズンにプレイする機会を与えられたエイトンをはじめとした、サンズのエナジーに期待したいところです。