フィラデルフィア・76ersのベン・シモンズとジョエル・エンビードの若きスターデュオの相性については、今年のプレイオフの1回戦でスウィープによって敗退を喫したことで多くの疑問符が残り、オフシーズンには彼らの放出の可能性についても憶測が飛び交っています。
しかし、最近新たに76ersの指揮官に就任したドック・リバースHC(ヘッドコーチ)は、「私はこのチームにあるピースが大好きだ」と語り、シモンズとエンビードを含めて成功の鍵がチームの中にあると信じていることを明かしました。
「彼ら(シモンズとエンビードが出場した時)の勝率は65%だ。彼らが一緒のプレイすると、明らかに上手くいく」
Philadelphia 76ers
「チームとして、どれだけの得点を挙げられるのかを見ている。得点の方法は気にしない。このチームはリーグ全体でトップ5に入るほど常にオフェンス面で優れており、様々な方法で得点を記録している。ベン以外にも、ジョエル、トバイアス(ハリス)、シェイク(ミルトン)、ジョシュ(リチャードソン)が得点できる。このチームはタレントが豊富だから、どうすれば最高の形で活かせるか考えるだけだ」
Philadelphia 76ers
ただ、シモンズとエンビードが出場した試合の勝率が高いからといって、必ずしも彼らの相性が良いわけではないことも事実です。
第一に、今季のシモンズとエンビードが一緒にコートに立っていた時のネット・レーティング(100ポゼッションあたりの平均得失点差)は+0.6ポイントでした。
これは、今季のプレイオフ進出を逃したフェニックス・サンズの+0.5ポイントをわずかに上回るくらいの数字です。
加えて、このネット・レーティングはどちらか一方がベンチに下がると、もう一方の数字が伸びていました。
エンビードのみがコートに立っていた時の76ersのネット・レーティングは+5.2ポイントで、シモンズのみがコートに立っていた時の76ersのネット・レーティングは+1.7ポイントだったのです。
これらの数字をどのように変化させるかは、リバースHCの手腕次第であると言えるでしょう。
リバースHCが76ersを成功に導くという想いは、かなり強いはずです。
1999年以降、彼はオーランド・マジック、ボストン・セルティックス、ロサンゼルス・クリッパーズで、21年間にも渡って休むことなく指揮を執り続けていました。
クリッパーズの指揮官を退任した後、リバースHCは休息を受け入れる準備ができていたようです。
しかし、リバースHCから見て競争力のあるチームと感じていた76ersのオファーは、断れるものではありませんでした。
「コーチングは大好きだが、(退任後は)どこかのチームで指揮を執るつもりは無かった。休む覚悟はできていた。…(コーチングを続けるかどうかは)利用可能なチーム次第だった。私の中では、チームが勝つ準備ができていれば引き受ける考えだった」
ESPN
「(76ersのエルトン・ブランドGMから)電話を受けた時、”見てみよう”と思うのは簡単なことだった。…彼らが今の年齢で多くの成功を収めているという事実や、どこまで辿り着けるのかということを考えると、私にとっては断れない仕事だった」
ESPN
今季の開幕前は優勝候補の一角とさえ考えられていた76ersですが、来季の彼らにそれほど大きな期待はかからないでしょう。
その評価をシモンズとエンビードのデュオが居る中でどのように覆していくのか、リバースHCの手腕が非常に楽しみです。
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