ヒューストン・ロケッツのスーパースターであるジェームズ・ハーデンはチームにトレードを要求しており、これまではブルックリン・ネッツとフィラデルフィア・76ersがトレード先の希望として挙げられていました。『The Athletic』のシャムス・シャラニア記者によれば、ここにミルウォーキー・バックスとマイアミ・ヒートの2チームも追加されているようです。
ハーデンは首脳陣とコミュニケーションを取っていないものの、ジョン・ルーカスAC(アシスタントコーチ)とは連絡を取り合っていることを、シャラニア記者は報じています。そのため、ひとまずはハーデンがチームのためにプレイする意思があると捉えてもよいでしょう。
ロケッツはハーデンのトレードを急いではいません。ロケッツが優勝争いから遠ざかっているというハーデンの考え方を変えるべく、チームはこのオフシーズンに様々な補強を行いました。ハーデンと同様にトレードを要求していたラッセル・ウェストブルックは、最終的にワシントン・ウィザーズのジョン・ウォールとトレードされました。フリーエージェントでは6回のオールスター選出経験のあるデマーカス・カズンズと契約を結び、サイン&トレードによって若い有望なセンターであるクリスチャン・ウッドも獲得しています。
『ESPN』のティム・マクマホン記者とエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によると、ロケッツは今のところネッツや76ersと実質的なトレード交渉を行っていないようです。またシャラニア記者によれば、ネッツはケビン・デュラントかカイリー・アービングを含めない限り、ロケッツがハーデンを手放すことはありません。76ersについても同様のことが当てはまると考えてよいでしょう。おそらく76ersは若きスターのベン・シモンズかジョエル・エンビードのどちらかを手放す必要がありますが、1983年以来の優勝を目指すフランチャイズは彼らを中心に戦うことを望んでいるため、トレードが成立する期待は薄そうです。
バックスはクリス・ミドルトンを中心としたトレード案を構築することができます。ただし、ミドルトンも直近の2シーズンでオールスター出場を果たしている選手とはいえ、2018年のシーズンMVP受賞者であるハーデンとの市場価値の差は決して小さいものではありません。バックスはこのオフシーズンにドリュー・ホリデーを獲得するため、ニューオーリンズ・ペリカンズに今年のドラフト1巡目指名選手や、2つの将来のドラフト1巡目指名権、2つの将来のドラフト交換権を送っているため、豊富な資産でロケッツの関心を引くことは難しそうです。
ヒートには昨季に初のオールスター出場を果たした23歳のバム・アデバヨや、新進気鋭のタイラー・ヒーローといった魅力的な若い選手がいます。しかし、ヒートとアデバヨは先月下旬に5年間の契約延長を結んだため、彼が放出される可能性は考えられないでしょう。当然、チームの大黒柱であるジミー・バトラーが含まれることもありません。
ハーデンは残り2年間の契約が保証されており、彼がトレードを希望しているとしても、トレードの決定権はチームにあることを忘れてはなりません。ロケッツは時間をかけてトレードを検討することができるため、現時点でハーデンが希望しているチームにトレードされると考えるのは時期尚早です。
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