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ブラッドリー・ビールの「信じられない」忠誠心

リーグのスターと見なされている選手の中で、一つのチームに忠誠を誓い続ける選手はほとんどいません。最も有名なフランチャイズプレイヤーはゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーや、ポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードですが、彼らはチームの成功があったためにトレードは非現実的な話でした。カリーは11年間のキャリアで5度のNBAファイナル進出や3度の優勝を成し遂げ、リラードも2019年にはチームをカンファレンス決勝まで導きました。

一方、ビールは2012年のドラフトでウィザーズに指名されて以降、一度もカンファレンス決勝の舞台に立ったことがありません。これまでカンファレンス準決勝には3度進出したものの、それも過去の話であり、ビールが台頭し始めた直近2年間はプレイオフ進出さえ逃しています。それでも、彼は自分の勝利のためだけにウィザーズを離れようとは思っていません。

ビールが困難な道を選ぶことについて、一つの興味深いエピソードをハンセンが明かしました。それは1月6日(日本時間7日)のフィラデルフィア・76ers戦――ビールがキャリア最多の60得点を記録しながら、チームが141-136で敗れたときのことです。

文字通り”最高”のパフォーマンスを披露したビールが、ウィザーズのトミー・シェパードGM(ゼネラルマネージャー)に「もう限界だ、俺をトレードしてくれ」と言うことは簡単だったでしょう。しかし彼の考え方は違いました。ハンセンによれば、試合後のビールからの最初のメールには「ちくしょう、もっと上手くなって、勝利で終わらせないと」と書いてあったようです。

言い換えれば、それはビール自身がまだ不十分だと感じているということです。もちろん個人的な成績という意味ではありません。バーテルスタインが言ったように、「何かや誰かを成功させるために自分ができることを全てやった」わけではないということです。ウィザーズを成功に導かずして去るというのは、ビールの信念に反することになってしまいます。

最近の敗戦後のインタビューでも、ビールがウィザーズに悪感情を抱いていないことはよく分かります。彼は不満をあらわにする理由について語りました。

「負けることに対して腹を立てている。もし自分が笑ったりニコニコしていたら、メディアは”ああ、負けを真剣に受け止めていないんだな”と言うよね?自分はただ負けることが嫌いなんだ」

それはすなわちビールの競争心の表れであって、ウィザーズに対する失望ではありません。ビールが本当に失望する時が訪れるとするならば、それはおそらくウィザーズが敗戦を気に留めなくなった時でしょう。

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