ヒューストン・ロケッツとのカンファレンス準決勝第5戦でケビン・デュラントが右ふくらはぎを怪我して以降、ゴールデンステイト・ウォリアーズは彼の居ない状態で5試合を戦い、無敗でNBAファイナルまで上り詰めました。
もちろんそうなれば、デュラントの居ないウォリアーズの方が強いのではないか、という概念も生まれてくるのもおかしな話ではありません。
しかしデュラントは怪我をして以降、ウォリアーズの全ての試合を観戦し、そして全ての周囲からの声を聞いており、シンプルに「それは間違っている」と否定しました。
金曜日に行われた記者団との最初のミーティングで、デュラントは次のように語りました。
「僕がここに来てから、ウォリアーズとKD(ケビン・デュラント)という感じになっているね。僕はそれを理解しているし、僕がこの文化の一員になるためにやったことを、チームメイトや組織はしっかり分かってくれていると感じているよ。」
「自分がチームに何をもたらしたかは分かっているけど、外野の人々が僕たちを一緒に見たくないと言っているのも分かっている。」
"It's been that way since I got here, it's the Warriors and KD."
– Kevin Durant on fans and the media splitting him from the team pic.twitter.com/lsWGFnNXrU
— SportsCenter (@SportsCenter) May 24, 2019
ヒューストンで行われたカンファレンス準決勝の第6戦にも、ポートランドで行われたカンファレンス決勝の第3戦や第4戦にも、デュラントはチームに同行しませんでしたが、彼はその間にチームを取り巻く報道を見ていました。
ウォリアーズのチームメイトや、スティーブ・カーHCは、デュラントがチームにとってどれだけ重要かを訴えてきましたが、それでもデュラントが居ないほうが強いのでは、という概念は日に日に強くなっています。
デュラントは、続けてこう語りました。
「僕やみんなが試合を観戦していて、みんながその話題について話しているから、そこから目をそむけるのは難しいね。僕としての見解は、リハビリに集中するだけでなく、チームのファンにもなりたいんだ。チームメイトを別の視点からも楽しみたいんだよ。僕はチームに同行できないからテレビを点けるのに、聞こえてくるのはノイズだけさ。」
「選手として、そのことについて考えているよ。”バスケットボールの観点で言えば、(デュラントの居ないウォリアーズの方が強いというのは)間違っている”というのが僕の考えだね。」
ウォリアーズのステフィン・カリーは、デュラントのコメントを擁護しています。
そしてカリーは、なぜデュラントが批判の対象となっているのか分からないと語りました。
「この3年間で、みんなは僕たちの細かい部分を指摘したり、チームのケミストリーに楔を打ち込もうとしたりしていた。そして今年も、(デュラントの)フリーエージェントで広がっている。細かく調べたり、批判したりしない人なんて、誰も居ない。上手くプレイすると、誰も幸せにならないんだ。僕はそれに最も驚いたね。KDが上手くプレイしていると、”ああ、彼らは次元が違うから、見ていてもつまらない”ってなるんだ。あるいは彼が居ない時に試合に勝つと、”居ないほうが良いのでは?楽しいのでは?”ってなる。どんな質問であれ、いつもそれを聞きに来るよね。」
ウォリアーズの現状に関心を持ち、そこから様々な憶測が生まれることは仕方のないことかもしれません。
しかし過剰な詮索もまた、誰かが得をするわけではないでしょう。