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なぜラプターズは6点リードの状況でタイムアウトを要求したのか

ゴールデンステイト・ウォリアーズが106-105でトロント・ラプターズに勝利したNBAファイナル第5戦、その第4クォーターに少し興味深い場面がありました。

カワイ・レナードが一人で連続10得点を挙げ、ラプターズが103-97と6点のリードを奪った残り3分5秒、明らかにラプターズに流れが来ているであろう状況で、チームは2度のタイムアウトを要求したのです。

ラプターズのニック・ナースHCは、このタイムアウトについて次のように語りました。

「ただ休ませようと思い浮かんだんだ。(我々に)もっとエネルギーが必要だと思ったんだよ」



このタイミングでタイムアウトを取るのは、決して間違った選択ではありません。

昨季に制定されたルールにより、チームは第4クォーター残り3分以内でタイムアウトを2つしか要求できない(余っていた分は無くなる)からです。

レナードは、ナースHCのタイムアウトの判断について、次のように語りました。

「その時、彼は俺たちを休ませたかったと思う。(何が起こるかは)決して分からないから、もし試合に勝っていれば、このことは話題にならなかったんじゃないかな。」

しかし、後から見れば、これは試合の流れを変えるタイムアウトになったとも言えるでしょう。

タイムアウト後、ウォリアーズは3本中3本のスリーポイントシュートを決めて逆転したのに対し、ラプターズは6本中1本のショットしか決めることができませんでした。

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▲ウォリアーズのショットチャート

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▲ラプターズのショットチャート

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ラプターズのカイル・ラウリーは、ブザービーターを狙った最後のショットが、ウォリアーズのドレイモンド・グリーンにブロックされたことについて、次のように語っています。

「素晴らしい感じで、俺の手から(ボールが)離れたんだ。彼がそれをブロックした。素晴らしいディフェンダーのすることだね。彼が止めたことに目を向けて、次の試合で俺たちはどうやって改善するのか考えるよ」

このプレイでダブルチームをかけられていたレナードは、自身でショットに持っていかなかった理由を説明しました。

「2人が俺のところに来たわけだから、もしショットを打っても決められたかどうかは分からない。難しいんだ。もしトップに2人の選手を引き寄せているなら、正しいプレイを見つけようとする必要がある。俺たちはコーナーでショットを打つことにしたけど、十分ではなかったね」



ナースHCは、次のようにコメントしています。

「この時代では、3分間で6点リードしていても意味が無いと思う。プレイし続け、良いショットを決め、守り続けなければいけなかった。後半は本当によく守れていたと思うよ。もう少しだけ良いプレイをする必要があっただけだ。」

タイムアウトを取らなかったとしても、ラプターズが勝っていたかどうかは分かりませんが、少なくともこの日のタイムアウトは、第5戦の結果を左右するターニングポイント的なものとなってしまったようです。

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