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怪我は積み重なり、ウォリアーズの王朝は終焉を迎える

ゴールデンステイト・ウォリアーズの王朝は、ただボロボロの状態で崩されました。

オラクル・アリーナの47年間の歴史に幕を閉じるNBAファイナル第6戦、ケビン・デュラントは居らず、クレイ・トンプソンも途中で去り、ウォリアーズは満身創痍のロスターで足掻くことが精一杯でした。

ウォリアーズのスティーブ・カーHCは、次のように語ります。

「私が彼らのコーチとして、過去5年間で目撃したことは、才能や気質、互いのコミットメントといった、素晴らしい団結だった。こんなことは滅多に起こらない。」



第6戦の明暗を分けた決定的なものとしては、トンプソンがダンクを試みた際に、不自然な形で左足で着地したことでしょう。

そして不運にも、トンプソンの診断結果は左膝前十字靭帯の断裂でした。

ウォリアーズのステフィン・カリーは試合後、トンプソンの怪我について次のように語っています。

「クレイのような男が全力を尽くしていたことを考えると、ただ残念なだけだ。彼は今夜素晴らしいプレイをしていたよ。そして、不自然に着地したような恐ろしいプレイを目撃した。俺は診断結果をまだ知らないけど、彼が試合に出てプレイするのをどれだけ愛しているかについて考えている。考えられるのは、ただそれだけだよ。バスケットボールをするという観点からではない。個人的に彼のことが心配だ」

フリースローのためにコートに戻り、しっかり2本とも決め、走ってロッカールームへ向かう姿から、誰もがトンプソンが再び戻ってくると思ったはずです。

しかしその後、彼は松葉杖をついてアリーナを一足先に去りました。

2014年にスティーブ・カーHCが就任して以降、ウォリアーズが5年間で積み上げてきた驚異的な成績を振り返ってみましょう。

  • プレイオフを含めた勝率は77%
  • 通算勝利数は399勝。これは過去5年間の通算勝利数で、リーグ2位のサンアントニオ・スパーズより100勝以上も上回っている。
  • 5年連続NBAファイナルへ進出し、NBA史上2番目に長い連続記録を樹立。ボストン・セルティックスが10年連続でNBAファイナルに進出した時、NBAの球団数は8~9チームだったのに対し、ウォリアーズは30チームである。
  • 3度のNBAチャンピオンに輝いた。5年間で3度の優勝を経験した他のチームは、サンアントニオ・スパーズ、シカゴ・ブルズ、ロサンゼルス・レイカーズ(ミネアポリス時代にも)、ボストン・セルティックスのみ。

カーHCは、次のように語っています。

「彼らと一緒に過ごし、競い合う姿を見られて、コーチとしてこれ以上の幸運は無いよ」

最後の数秒でも、ウォリアーズは勝つチャンスが残されていました。

しかし、逆転するはずだったカリーのスリーポイントシュートはリムに嫌われ、必死でルーズボールを掴むも、使い切っていたタイムアウトを要求したことでテクニカルファウルをコールされ、その時点で敗戦が明確になりました。

非常に多くの理由から、47年間で2,070試合を行なってきたオラクル・アリーナと悲しい別れになったのは、言うまでもありません。

デュラントはアキレス腱を断裂し、3連覇の夢は途絶え、トンプソンの将来も懸念する必要があります。

トンプソンは今夏にフリーエージェントとなりますが、ウォリアーズは彼をチームに置き続けたいと考えており、もちろんそれは実現するでしょう。

デュラントも同様にフリーエージェントとなりますが、彼の場合はいっそう不透明で、ウォリアーズの来季のロスターがどうなるかは全く想像が付きません。

ただ少なくとも言えるのは、積み重なった怪我を中心にウォリアーズの王朝は終焉を迎え、新たにサンフランシスコのチェイス・センターで再出発をしなければならないことです。

それでも、ウォリアーズのドレイモンド・グリーンは、今後のチームに自信を持っていることを明かしました。

「誰もが、これが俺たちの終わりだと考えていると思う。スマートじゃないね。俺たちは、まだ終わっていないよ」



この数年間、ウォリアーズはどこよりも多くの試合や、大きな重圧と戦ってきました。

あまりにも多くの怪我や疲労に苦しめられたかもしれませんが、それでも最後まで王者であろうと戦い続ける彼らは、まさに「Warriors(戦士たち)」と呼ぶに相応しい存在でしょう。

彼らの今後が、必ずしも明るいとは限りません。

しかし、今は背負ってきたものを全て下ろし、ゆっくりと休んでほしいものです。

『ステフィン・カリー 努力、努力、努力 自分を証明できるのは、自分だけ』

  • 原著:Marcus Thompson,2
  • 著:マーカス トンプソン,2
  • 翻訳:東山 真

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