NBAは、常に問題視されている試合数の削減や、シーズン中のトーナメントの導入について検討しています。
そして6月17日(日本時間18日)には、12人のトップチームのエグゼクティブから構成された委員会が電話会談を行い、75周年を記念する2021-22シーズンのスケジュールの代替案について話し合いました。
試合数を削減することには、どんな意味があるのでしょうか?
ここでは、NBAの試合数削減に関する”利点”と”欠点”を見ていくことにしましょう。
利点
試合数を削減する理由はシンプルで、”多すぎる”からに他なりません。
選手は10月から4月の約半年に渡って82試合のレギュラーシーズンを競い、それからプレイオフを戦うことになります。
NBAファイナルまで到達したチームが年間100試合を戦うのは不思議な事ではなく、それは選手の疲労や、怪我の懸念にも繋がってくることでしょう。
つまり試合数が減ることで、選手にとって最大の敵である怪我のリスクを減らすことができるのです。
加えて、現状では怪我のリスクを少しでも減らすため、選手を欠場させるケースが増えています。
最も分かりやすい例はトロント・ラプターズのカワイ・レナードであり、彼は”負荷管理”を理由にレギュラーシーズンで22試合に欠場しました。
注目の選手を一目見ようと試合に足を運んだファンにとって、その選手が欠場していたら残念で仕方がありません。
そうした事態を防ぐためにも、試合数の削減が訴えられているのでしょう。
欠点
しかし、もちろんNBAが簡単にスケジュールを変更できない理由もあります。
特に懸念すべきは、”チームの収益”でしょう。
地元のテレビ局や、試合観戦のチケット代の収入を頼りにしていたチームにとっては、試合数の削減は不公平で手痛い損失です。
また、わずか2年弱でスケジュールを大幅に変更するとなれば、選手組合やオーナー、全国および地域のテレビ局、スポンサーなど、多くの助けを借りなければなりません。
それからもう一つ、NBAの団体交渉協定では、リーグとチームは「毎年のサラリーキャップに関わる”バスケットボール関連収入”を増加させるため、商業的に合理的な努力と行動をする」ことを義務付けられています。
リーグ全体のサラリーキャップが減ることになれば、選手たちのサラリーにも影響が出てしまうため、選手は「試合数の削減が努力の放棄」という根拠をもとに反対することもできるでしょう。
結論は?
『ESPN』によれば、電話会談で議論された試合の削減については、最も少ない数で58試合となったようです。
これは各チームが他の29チームを、1試合はホームで迎え撃つことが出来る最低限度の試合数となります。
しかし『ESPN』は、チームのオフィシャルは大幅な試合数の削減に賛成していないと伝えました。
また、試合数の削減には選手組合や利害関係者、オーナー、テレビ局、スポンサーといった多くの当事者の同意を必要とするほか、そもそもこの委員会はNBAの理事会に勧告することしかできません。
結論としては検討中の段階ですが、2021-22シーズンを目処に話は進んでいるようです。