優勝でさえも、カワイ・レナードをトロント・ラプターズに残すことは出来ませんでした。
スーパースターが、引退を除いて優勝の直後にチームを離れるという例は無かったにも関わらず、レナードは全く別物の存在であり、1年前にサンアントニオ・スパーズにトレードを要求した彼を思い出したことでしょう。
今や、レナードはロサンゼルス・クリッパーズに移籍し、クリッパーズやポール・ジョージとの相性について議論されています。
しかし一方で、ラプターズもまたレナードの影響を最も受けたチームの一つであることを忘れてはなりません。
レナードを失ったラプターズの今後は、どうするべきでしょうか?
2019-20シーズンにラプターズが再び優勝争いをできるのか、あるいは再建が迫っているのか、どちらにしても今のラプターズはどこかの道半ばです。
つまり、ラプターズが今後どうするかについては”保留”しておくのが最善だと言えるでしょう。
現状が最も似ているチームを挙げるとすればボストン・セルティックスであり、彼らの共通点はロスターの層が厚いということです。
どちらも優勝の本命とは言い難いですが、可能性が潰えたというわけでもありません。
特に、今年2月にラプターズがマーク・ガソルを獲得したようなトレードが再びあれば、優勝への議論が再び行われてもおかしくないはずです。
少なくとも、来季もプレイオフに進むだけの戦力は有しているため、ロスターは維持しておくのが賢明な判断だと言えます。
ラプターズが本当の問題に直面する時が来るとすれば、それは2020年の夏になるでしょう。
カイル・ラウリー、マーク・ガソル、サージ・イバカといったベテランの主力がフリーエージェントになるからです。
彼らとは再契約すべきなのでしょうか?
2020年代という長期的なスパンで見れば、ベテランの選手で優勝を狙うのは非現実的であるため、彼らを放出するのは一つの手段になります。
しかし、ガソルやイバカはまだしも、フランチャイズプレイヤーであるラウリーを手放すことはできるでしょうか?
ラウリーは、現在ラプターズに在籍している選手の中で、最もフランチャイズの歴史を紡いできた選手であり、通算得点はフランチャイズ4位、通算アシストでは2位にランクインしています。
将来的にラプターズで引退するであろう選手に”さよなら”を告げるのは、決して簡単なことではありません。
一方で、ラプターズがラウリーを維持するのが正しいことかと言われれば、必ずしもそうとは言い切れないでしょう。
ラウリーは、来年のプレイオフの頃には34歳になっており、既にピークを過ぎていることは考えると、契約年数や金額は熟考しなくてはいけません。
そしてラプターズには若いポイントガードの選手としてフレッド・ヴァンブリートがおり、彼はいつでもスターターの役割を引き継ぐ準備が出来ています。
ラウリーの去就は、ラプターズが再建を始めるかどうかの分かれ目となりそうです。
そういった意味では、2019-20シーズンはラプターズが別の新たな候補を見極める機会とも言えるのではないでしょうか。
まずラプターズが最初にするべきことは、2019-20シーズンを通して今後の方針を明確にすることになります。
ラプターズのベテランが居る限り、プレイオフの中で争うことは十分に可能でしょう。
一方で、ラプターズにはヴァンブリートの他にも、パスカル・シアカムやOG・アヌノビーといった若く魅力的な主力が居るため、ゼロから再建を始める必要もありません。
どちらを取るのか、この1年間でフロントオフィスの手腕が問われることになりそうです。
【投票】
- ベテランを放出して再建を試みる 76%, 247 票247 票 76%247 票 - 76%
- ベテランと再契約して優勝争いを試みる 24%, 80 票80 票 24%80 票 - 24%