2019年のオフシーズンでは、全体のNBA選手のうち40%もの選手がフリーエージェントとなりました。
これは非常に大きな数字であるため、必然的に予想よりも安価な金額で契約するフリーエージェントもいます。
ここでは、チームがフリーエージェントと結んだ”7つの賢い契約”を見ていくことにしましょう。
(※ここではカワイ・レナードやケビン・デュラントのようなスーパースターを紹介しません。彼らは、自身の契約に影響を与える力を持っているからです。)
目次
デマーカス・カズンズ(ロサンゼルス・レイカーズ)
契約内容:1年350万ドル
昨年の夏、ゴールデンステイト・ウォリアーズとデマーカス・カズンズが安価な1年契約を結んだ理由は、2つありました。
一つは優勝するため、そしてもう一つはカズンズの実力を証明するためです。
しかしカズンズは復帰後、レギュラーシーズンで30試合に出場し、プレイオフでも負傷を経て役割を担ったことから、不十分な結果でした。
それでも、1年350万ドルの契約はあまりに破格だと言えるでしょう。
腐ってもカズンズは、4度のオールスター出場と2度のオールNBA選出経験を持つ選手です。
もちろん2019-20シーズンは健康状態を維持することが必須であり、それでも過去のような才能を発揮できないかもしれませんが、ニューオーリンズ・ペリカンズでチームメイトだったアンソニー・デイビスやラジョン・ロンドの助けにもなります。
レイカーズのオフシーズンはかなり忙しかったにも関わらず、彼らは非常に素晴らしい契約を掴んできました。
ケボン・ルーニー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
契約内容:3年1,500万ドル
今年のプレイオフにおけるルーニーの働きは素晴らしいものでしたが、他の29チームが彼に手を出すことはしませんでした。
その理由の一つとして考えられるのが、ルーニーはウォリアーズの中で活躍できるタイプの選手だということでしょう。
だからこそ、ウォリアーズは予想よりも安価な金額でルーニーと再契約できたのかもしれません。
彼はステフィン・カリーやクレイ・トンプソン、ディアンジェロ・ラッセルのオフェンス機会を奪うような選手ではないことが保証されているため、ウォリアーズにとっては素晴らしい契約でした。
ルーニーからすればもったいないようにも感じますが、彼はまだ23歳であるため、より良い契約を掴むチャンスは今後も巡ってくるはずです。
JJ・レディック(ニューオーリンズ・ペリカンズ)
契約内容:2年2,650万ドル
35歳であるにも関わらず、レディックのように得点面でチームに貢献できる大ベテランは、リーグにそう多く居ません。
2018-19シーズンでは、1試合あたりのスリーポイントシュート試投数をキャリアハイの8.0本に伸ばしながら、成功率は39.7%と高水準であったため、2年2,650万ドルの契約は比較的安価だと言えます。
そしてレディックほど効率良くショットを決められる選手であれば、ドリュー・ホリデーやブランドン・イングラム、ロンゾ・ボール、そしてザイオン・ウィリアムソンらにスペースを与えることもできるでしょう。
若手選手の中にレディックが混ざっても、害になることはありません。
ジェレミー・ラム(インディアナ・ペイサーズ)
契約内容:3年3,150万ドル
昨季、シャーロット・ホーネッツのリーディングスコアラーは、1試合あたり平均25.6得点を挙げたケンバ・ウォーカーだったことはよく知られていることです。
しかし、ラムがチーム2位の平均15.3得点を挙げていたことは、あまり広く知られていません。
加えて、ラムは先発起用とベンチ起用のどちらにも対応できる選手なのです。
そう考えると3年3,150万ドルという契約は、瞬く間に安価な契約として思えてくるのではないでしょうか。
トーマス・サトランスキー(シカゴ・ブルズ)
契約内容:3年3,000万ドル
昨季、ワシントン・ウィザーズのジョン・ウォールが怪我をした時、その穴を埋めた選手こそサトランスキーでした。
彼は元々ドラフト2巡目指名の選手であり、さほど大きな期待はされていなかったものの、十分なステップアップを見せ、1試合あたり平均8.9得点、5.0アシスト、3P成功率 39.5%を記録しています。
ブルズは、今年のドラフトで獲得したポイントガードのコービー・ホワイトにプレイ時間を与えたいと考えるでしょうが、彼が苦労した時にはサトランスキーが代わりとなるでしょう。
ブルズにとって、サトランスキーとの3年3,000万ドルの契約は安い方なのです。
エド・デイビス(ユタ・ジャズ)
契約内容:2年1,000万ドル
私たちは、もっとデイビスを評価するべきです。
昨季、ブルックリン・ネッツでプレイしたデイビスは、オンコート時のディフェンシブ・レーティング(100ポゼッションあたりの平均失点)でチーム平均より6.8ポイントも良く、ネット・レーティング(100ポゼッションあたりの平均得失点差)でもチーム平均より4.4ポイントも良い数字を残していました。
これはネッツの選手の誰よりも(最低20試合以上出場)、遥かに良い数字なのです。
しかし、もしかするとデイビス本人も自分自身を過小評価しているのかもしれません。
昨年の夏も、彼はネッツと1年440万ドルで契約しているため、チームにとっては本当に美味しい選手となっているのです。
ジャマイカル・グリーン(ロサンゼルス・クリッパーズ)
契約内容:2年1,000万ドル
カワイ・レナードとポール・ジョージの移籍の話題によって掻き消されていましたが、『The Athletic』のシャムス・シャラニア氏によれば、グリーンは他チームのより高額なオファーを断ってまで、クリッパーズで優勝を掴むために再契約を結んだようです。
グリーンは、メンフィス・グリズリーズとクリッパーズでプレイした昨季の3P成功率 40.3%が示すように、汎用性の高いパワーフォワードとして活躍できるため、レナードやジョージたちにもフィットするでしょう。
クリッパーズはダイナミックなデュオを完成させた後、さらに貪欲になる必要は無かったのです。
グリーンが安価な契約でも残留を希望した時点で、クリッパーズは十分すぎる勝利を得ていました。
【投票】
- デマーカス・カズンズ(ロサンゼルス・レイカーズ) 35%, 157 票157 票 35%157 票 - 35%
- ジャマイカル・グリーン(ロサンゼルス・クリッパーズ) 21%, 97 票97 票 21%97 票 - 21%
- ケボン・ルーニー(ゴールデンステート・ウォリアーズ) 18%, 81 票81 票 18%81 票 - 18%
- JJ・レディック(ニューオーリンズ・ペリカンズ) 14%, 62 票62 票 14%62 票 - 14%
- エド・デイビス(ユタ・ジャズ) 9%, 39 票39 票 9%39 票 - 9%
- トーマス・サトランスキー(シカゴ・ブルズ) 2%, 10 票10 票 2%10 票 - 2%
- ジェレミー・ラム(インディアナ・ペイサーズ) 2%, 9 票9 票 2%9 票 - 2%