2018年8月30日、エリック・ゴードンはツイッターでの質疑応答の中で、ロケッツで引退したいことを明かしていました。
Yes yes I love HOUSTON
— Eric Gordon (@TheofficialEG10) August 31, 2018
そしてちょうど1年後、ロケッツとゴードンは4年7,600万ドルの契約延長に至り、新たな一歩を踏み出しました。
これは、ロケッツが提示できる限り最大のサラリーでもあります。
ゴードンはロケッツでの3年間で、1試合あたり平均16.8得点、3P成功率 36.4%を記録したほか、昨季のプレイオフでは3P成功率 40%以上を記録すると共に、ユタ・ジャズのドノバン・ミッチェルや、ゴールデンステイト・ウォリアーズのクレイ・トンプソンに対して優れたディフェンスを見せました。
ここでは、ゴードンの契約延長がロケッツにもたらす”4つの重要なポイント”について振り返ってみましょう。
シーズン中の懸念を払拭
もしゴードンが契約延長を結ばなかった場合、ロケッツはレギュラーシーズンの間もそのことに注意を向ける必要がありました。
来夏のフリーエージェントは明らかなタレント不足であるため、他のチームがゴードンに大型契約を提示し、彼がそのまま他チームへ去ってしまう可能性があったのです。
それを避けたいロケッツは、2月までにゴードンのトレード先を探していたかもしれません。
ロケッツはサラリーに余裕が無いチームであるため、ゴードンがタダで去れば、彼に代わる同等な選手を獲得するのは、間違いなく不可能だったでしょう。
しかし、契約延長に至ったことで、ロケッツは心置きなくシーズンに集中し、新たに加わったラッセル・ウェストブルックともケミストリーを築けるようになりました。
最大限の投資
ティルマン・J・ファティータ氏はロケッツのオーナーに就任して2年ほどであるため、彼の手腕がどれほど優れているのかはまだ分かりません。
しかし、ゴードンへ出来る限り最大の投資を行ったのは、非常に素晴らしいことです。
ロケッツは既に、ジェームズ・ハーデンとウェストブルックというNBAで最も高額な契約を持つデュオが居るだけでなく、先発センターのクリント・カペラにも4年間で年間平均1,800万ドルの大きな契約があります。
にも関わらず、シックスマンのために利用可能な年間平均1,900万ドルを投じるのは、ファティータ氏がどれだけゴードンを信頼しているかを示すものだと言えるでしょう。
献身的で、サラリーに糸目を付けないことは、互いの信頼関係を深めるには素晴らしい手段となります。
継続性
契約延長にサインした選手は6ヶ月間トレードできません。
ゴードンの場合は、この期限が来季のトレードデッドラインを超える――つまり、2019-20シーズンは少なくともゴードンがロケッツに居続けることを意味します。
ハーデンは歴史的なキャリアを歩んでいますが、実のところ4シーズン以上を共にした選手は数少なく、カペラとパトリック・ベバリー(現ロサンゼルス・クリッパーズ)しかいません。
そのため、彼はロケッツで8年目のキャリアを迎えるにも関わらず、ケミストリーの観点では不十分な部分がありました。
しかし、ゴードンはウェストブルックと並んで、ハーデンのチームメイトとして4年目を迎えるため、よりケミストリーを深め、彼の手助けをできることになるでしょう。
契約の最終年
ゴードンの契約延長は最大で4年ですが、実質的には3年5,450万ドルの契約となります。
最終年の2,100万ドルの契約は保証されておらず、これは彼がオールスターに選出されるか、ロケッツが優勝しない限り、保証されることはありません。
もし保証されなかった場合、ゴードンがフリーエージェントとなる年は、ハーデン、ウェストブルック、カペラの契約が終了する年と一致しています。(ハーデンとウェストブルックがプレイヤーオプションを行使した場合)
したがって、ロケッツは今後3年間の中核をまとめ上げつつ、2023年の夏に別の計画を立てる準備を整えたと言えるでしょう。