月曜日に行われた2019 FIBAワールドカップのチェコ代表対ギリシャ代表の一戦は、点差が全てを決める重要な戦いでした。
ギリシャ代表が12点差以上で勝利した場合は、ギリシャ代表が準々決勝進出を決め、ギリシャ代表が12点未満の勝利、もしくはチェコ代表が勝利した場合は、チェコ代表が準々決勝進出を決めたからです。
結果は、ギリシャ代表が84-77で勝利しましたが、わずか5点及ばず、ギリシャ代表は2019年のワールドカップから姿を消すことになりました。
ギリシャ代表にとって、ミルウォーキー・バックスで昨季MVP受賞したヤニス・アデトクンボにとって、それは何の喜びも得られない勝利です。
ヤニス・アデトクンボの兄、サナシス・アデトクンボもギリシャ代表としてプレイし、試合後にこう語りました。
「彼はチームを誇りに思っているよ。僕たちは全てを出し切った。勝ったのに次のラウンドに進めないなんて、馬鹿げているよね」
一つの大きなターニングポイントとなったのが、第4クォーター残り5分32秒でした。
ヤニス・アデトクンボがユーロステップを試みた際、チェコ代表のトーマス・サトランスキー(現シカゴ・ブルズ)に阻まれたことでオフェンスファウルをコールされ、ファウルアウトとなってしまったのです。
サトランスキーは試合後、オフェンスファウルを奪えることを分かっていたと語りました。
「僕は、彼がユーロステップに行くか、力任せに行こうとするか分かっていたんだ。ヨーロッパでは、あれは吹かれるんだよ。NBAじゃスターをかばうから、吹かれない」
それでも、ギリシャ代表はヤニス・アデトクンボが退場した後も、奮闘し続けました。
勝利するはずのチームであるにも関わらず、試合終盤に故意にファウルを犯すのは珍しい光景でしたが、それでも勝利以上に点差を重視しなければならなかったため、仕方のないことです。
その試みは良いところまでいき、ギリシャ代表のニック・カテラスが残り7秒でディープスリーを決めたことで、リードを9点まで広げましたが、残り4.6秒にチェコ代表のジャロミア・ボハチックがショットを決めたことで、ギリシャ代表は終わりを迎えました。
ヤニス・アデトクンボは、前回53-69で敗れたアメリカ代表戦に引き続き、記者団の前に姿を表しませんでしたが、あるFIBAの役員によればアメリカ代表戦の後、あまりにも怒っていたため話さなかったようです。
ヤニス・アデトクンボが退場していた時、ギリシャ代表は10点差でリードしていたため、もし彼が退場しなかったら…と考えてしまうのは無理のないことかもしれません。
しかし、どうやらその一瞬では、サトランスキーの方が一枚上手だったようです。
決して満足できた勝利ではありませんでしたが、それでもワールドカップで戦えたことを誇りに思う選手も居ます。
サナシス・アデトクンボは、兄弟でワールドカップの経験を共有できたことが、今後も記憶に残るだろうと言いました。
「夢が叶ったよ」
兄弟は揃って、来季からバックスでプレイすることになります。
ワールドカップで果たせなかった目標を、NBAでどのように糧にするのか期待しましょう。