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もうクリッパーズはレイカーズの”弟”ではない

これは、ロサンゼルス市がかつて一度も経験したことのない開幕戦だったかもしれません。

ロサンゼルス・レイカーズが1960年にロサンゼルスに本拠地を構え、フランチャイズ史上16度の優勝のうち11度をこの地で獲得したことで、ロサンゼルスは完全にレイカーズの縄張りでした。

しかし、2019-20シーズンの開幕戦は、ロサンゼルス・クリッパーズがレイカーズの正当な脅威として見なされた日だったと言えるでしょう。

クリッパーズのカワイ・レナードが観客の前で演説をした時、クリッパーズのホームであったにも関わらず、拍手喝采と共にブーイングの嵐が巻き起こったのが何よりの証拠です。

『Yahoo Sports』のクリス・ヘインズ氏によれば、レナードは観客からのブーイングについて次のように語りました。

「大きな音がしたから、できるだけ自分も大きい声を出そうとしたんだ。クリッパーズのファンが盛り上がっているのか、レイカーズのファンが騒いでいるのかは分からなかった。あまり気にしていなかったからね。僕は今夜、ファンに感謝を伝えようとしただけさ」



どちらのチームも得点を決めれば、各チームのファンベースは大いに盛り上がりました。

第4クォーターの残り5分を切り、クリッパーズが10点リードをしていた時、レイカーズのファンは「Let’s go Lakers! Let’s go Lakers!」とだんだん声を上げていきます。

それを遮るかのように、クリッパーズのアナウンサーは「Go Clips Go! Go Clips Go!」と叫びました。

クリス・ポール、ブレイク・グリフィン、ディアンドレ・ジョーダンが在籍していたロブシティ時代でさえ、クリッパーズの開幕戦の盛り上がりはこの日に匹敵するものではありません。

今のクリッパーズなら優勝できるという本気の信念が、ファンから感じ取れるのです。

クリッパーズのパトリック・ベバリーは試合後、レイカーズを負かした相手について深く議論することなく、レブロン・ジェームズのハイライトを日常的に流し続けるメディアに不満をぶつけました。

ベバリーは、ジェームズのこの試合最高のハイライトの一つを流す代わりに、クリッパーズがレイカーズに勝ったという事実を伝えてほしいと求めました。

トレーニングキャンプ中、両チームは互いがライバル関係であることを認めませんでしたが、今やライバル関係が芽生えつつあるのを否定することはできないでしょう。

これまで、ロサンゼルスのチームは第一にレイカーズという認識があり、クリッパーズは二の次でした。

しかし、今やロサンゼルスの2チームはどちらも優勝の可能性を含んでおり、たった1試合ではありますが、開幕戦でクリッパーズはレイカーズの上を行きました。

もう、クリッパーズをレイカーズの”弟”として見ることはできないでしょう。

ロサンゼルスで本当に実力があるチームはどちらなのか――その戦いの火蓋が切って落とされたのです。

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