2019-20シーズンの開幕戦の一部は、ザイオン・ウィリアムソンの負傷により話題性が少し損なわれることとなりましたが、それでも白熱した戦いがありました。
ニューオリンズ・ペリカンズはザイオン・ウィリアムソンが不在の状況下で、前年王者のトロント・ラプターズと延長戦にもつれる接戦を見せています。
ロサンゼルス・レイカーズとロサンゼルス・クリッパーズの対戦は、過去20年間で見られなかったような競争がそこにあり、ステイプルズ・センターのコート上には新たにカワイ・レナードとアンソニー・デイビスが立っています。
ここでは、2019-20シーズンの開幕戦を戦った中での”勝者”と”敗者”を振り返っていきましょう。
目次
勝者:フレッド・ヴァンブリート(トロント・ラプターズ)
カワイ・レナードが去ったラプターズは、パスカル・シアカムに限らず、間違いなくフレッド・ヴァンブリートにも多くのことを求めるでしょう。
少なくとも開幕戦の夜、ヴァンブリートはその期待に応える努力を見せていました。
キャリア最多の34得点に加え、5リバウンド、7アシスト、フィールドゴール18本中12本成功と、25歳の司令塔はカナダでステップアップする準備が整っているようです。
敗者:ペリカンズの先発ガード
ペリカンズの先発ガードであるロンゾ・ボールとドリュー・ホリデーは、互いが互いを補完し合うことで素晴らしいパワーを生み出すことができるでしょう。
ただし、それを開幕戦の夜で魅せるには早すぎました。
ボールはフィールドゴール7本中2本成功、ホリデーは15本中6本の成功に加え5本のターンオーバーと、両者が慣れるにも多少の時間は必要となります。
勝者:パスカル・シアカム(トロント・ラプターズ)
大型の契約延長を結び、新たにフランチャイズを引っ張る存在となるであろうパスカル・シアカムは、開幕戦の夜にその準備ができていることを存分に証明しました。
フィールドゴールは26本中11本成功と精彩を欠いていたものの、それでも34得点、18リバウンド、5アシストとオールラウンドなパフォーマンスでコートを走り回り、ファウルアウトが惜しまれる大活躍を見せました。
こういったパフォーマンスこそ、カワイ・レナードを失ってもなお勝利を信じているトロントのファンが求めるものです。
敗者:ニケイル・アレクサンダー・ウォーカー(ニューオリンズ・ペリカンズ)
バージニア工科大出身のニケイル・アレクサンダー・ウォーカーのシュート力は、相手にとって大きな脅威になると考えられています。
しかし、デビュー戦ではフィールドゴール10本中1本成功、3ポイントシュート7本中1本成功と、その強みを生かすことができませんでした。
確かに彼はディフェンス面で懸命なプレイをしていましたが、ショットがもう少しでも決まっていれば、ペリカンズが延長戦で敗れることはなかったかもしれません。
ただしこれはルーキーの開幕戦でもあり、プレッシャーも考慮すれば、敗者であっても責任を背負うような必要は全く無いでしょう。
勝者:カワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)
ホーム戦でありながら、レイカーズのファンに大きなブーイングを浴びたクリッパーズのカワイ・レナードは、昨シーズンのファイナルMVPを象徴するかのように支配的な試合を見せました。
フィールドゴール19本中10本成功の30得点、6リバウンド、5アシストと記録し、少なくともこの日は、レブロン・ジェームズと共にロサンゼルスが偉大であることを証明したと言えるでしょう。
敗者:レイカーズのベンチメンバー
レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスのスターパワーは強大ですが、熾烈なウェスタン・カンファレンスで頭一つ抜けるためには、ベンチメンバーの活躍も重要になるでしょう。
開幕戦では、ジャレッド・ダドリー、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、クイン・クック、ドワイト・ハワード、トロイ・ダニエルズのフィールドゴールの合計は21本中7本の成功に留まり、プラスマイナスの合計は-51にも及んでいます。
これを改善しなければ勝ち抜くことができず、この日の夜のようにクリッパーズにベンチ力で差を付けられてしまいます。
勝者:ダニー・グリーン
レイカーズが32歳のベテラン選手に1,500万ドルを払ったのには理由があります。
ダニー・グリーンはレイカーズデビュー戦で7本の3ポイントシュート成功を含む28得点を挙げ、敗れこそはしたものの、プラスマイナスはチーム最多の+7を記録しました。
またグリーンの28得点は、レイカーズのデビュー戦を飾った選手の中で最多の得点(これまでは1975年にカリーム・アブドゥル・ジャバーが記録した27得点)となっています。
敗者:クリッパーズの先発ガード
ポール・ジョージが怪我から復帰すれば、クリッパーズにとっておそらく問題にはなりません。
しかし、現時点ではバックコートからの生産性も必要とされる状態で、開幕戦ではレイカーズに痛手を負わせることができませんでした。
パトリック・ベバリーとランドリー・シャメットは、2人合わせてフィールドゴール15本中4本の10得点に終わっています。
ベバリーは確かにディフェンス面で大きなインパクトを与えることができるかもしれませんが、レナードとジョージが加入した今、チームは彼を唯一のストッパーとして依存することは無いため、オフェンス面でもステップアップが求められるでしょう。
勝者:クリッパーズのベンチメンバー
クリッパーズが他のチームと明らかに異なるのは、やはりベンチメンバーの層の厚さでしょう。
早くもそれは開幕戦で発揮され、ジャマイカル・グリーン、モントレズ・ハレル、モーリス・ハークレス、そしてルー・ウィリアムズの4人で計60得点を記録しました。
ポール・ジョージが復帰した時の恐ろしさは、言うまでもありません。
敗者:レブロン・ジェームズ&アンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)
コービー・ブライアントとシャキール・オニール以来、レイカーズ最高のデュオと呼ばれるレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスの開幕は、思い通りにいくものではありませんでした。
フィールドゴールは2人合わせて40本中15本の成功に留まり、8本のターンオーバーも多すぎます。
この開幕戦も単なる82試合のうちの1試合ですが、レイカーズがジェームズとデイビスに頼らなければならないのは明白でしょう。