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選手の新型コロナウイルス感染によるNBAのシーズン中断の詳細

新型コロナウイルスの脅威が拡大する中、リーグのオーナーの大半は無観客試合を行う考えに傾きつつありましたが、選手に新型コロナウイルスの陽性反応が出たことに伴い、NBAはシーズン中断を余儀なくされました。

少なくとも当面の間、NBAで試合が行われることは一切なく、シーズン再開の目処は今のところありません。



NBAによると、3月11日(日本時間12日)のユタ・ジャズ対オクラホマシティ・サンダーの試合開始前に、ジャズの選手の一人――おそらくルディ・ゴベアから新型コロナウイルスの陽性反応が出たとされ、ウォームアップをしていた他の選手たちはロッカールームへ戻るように指示されました。

ジャズは声明でゴベアの名前を出していないものの、その選手は水曜日の段階でインフルエンザ、連鎖球菌性咽頭炎、上気道感染症の症状が出ていたようです。

選手の症状はその日のうちに徐々に良くなっていったようですが、新型コロナウイルスの予備検査を行うことを決めたところ、感染していることが発覚しました。

ジャズは「この選手は現在、オクラホマシティの保健当局の管理下にある」と発表し、必要に応じて最新情報を提供すると付け加えています。

ゴベアは月曜日のインタビューで新型コロナウイルスに関するジョークを言っていたようで、インタビュー終了後には全てのテープレコーダーとマイクに触れていました。

これが感染の原因であるかどうかは分からないものの、少なからずこの行動は大きな話題となっています。

世界保健機関(WHO)によると、新型コロナウイルスに感染した患者のうち、軽症の患者は約2週間ほどで回復し、重症の患者は回復まで約3~6週間を必要とします。

最初に新型コロナウイルスの感染が確認された中国では、8万人以上の感染が明らかになり、5万8,000人以上が回復しました。

この数週間でより世界に脅威を与えている新型コロナウイルスは、ついにNBAにまで最悪のシナリオを描かせるようになっています。

クリーブランド・キャバリアーズのトリスタン・トンプソンは、Twitterで「クレイジーだな」とツイートしました。

『AP』によれば、ダラス・マーベリックスのオーナーであるマーク・キューバン氏は、シーズン中断のニュースを知ったときに驚いたと言います。

「これはバスケットボールよりも大きなこと。次の試合よりも、子供や82歳の母のことが心配だ。母と話したり、家の中にいるように伝えている」

2019-20シーズンは、全体のスケジュールの約21%にあたる259試合(プレイオフを除く)が残っていますが、いつ試合が再開するかは分かりません。

そしてこのシーズン中断は、経済面でNBAにさらなる打撃を与えることになりそうです。

昨年10月、ヒューストン・ロケッツのゼネラルマネージャーであるダリル・モーリー氏が香港のデモを支持し、中国との対立が始まったことで、NBAは既に4億ドルもの収入を失いました。

加えていま、試合さえも行われないとなれば――それがいつまで続くかにもよりますが、NBAはさらに何億ドルもの収入が失われる可能性があります。

NBAの収入はサラリーキャップ、選手の契約にも大きな影響を与えるため、今回の措置が苦渋の決断であることは明らかでしょう。



レギュラーシーズンがここで終わるとなれば、アトランタ・ホークスのビンス・カーターは22年間の現役生活に終止符を打つことになります。

ホークスは万が一に備え、11日(同12日)のニューヨーク・ニックス戦のオーバータイム残り19.5秒から、カーターをコートに送り出しました。

この時点でニックスの勝利はほぼ確定しており、ニックスの選手たちはディフェンスをすることはありませんでしたが、カーターはトレイ・ヤングからパスを受け取り、見事に3ポイントシュートを沈め、チームメイトとその瞬間を祝いました。

カーターは試合後、「不思議だけど記憶に残る」とコメントしました。

「これをキャリアと呼ぶには不思議だね。僕の考えでは、あと15試合はコートに立てると思っている。もしそうならないのであれば、それを受け入れるしかない」

また、NBAのシーズン中断に伴い、マイナーリーグにあたるGリーグでもシーズン中断の措置が取られ、各チーム6~9試合を残していました。

マイアミ・ヒートのガードであるダンカン・ロビンソンは、次のようにコメントしています。

「安全のために必要と感じる措置を取っている。NBAはリーグの選手とファンを守らなければならない」

新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断されるのは前代未聞で、最悪の事態ではありますが、選手やファンの安全を最優先に考え、即座に措置を取ったNBAの行動は最善だったと言えるでしょう。

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