新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断されているため、2020年のNBAドラフトの抽選日は変更になるかもしれませんが、各チームの抽選確率が変更されることはないだろうと『ESPN』のティム・ボンテンプス記者は伝えています。
一部の人々は、(おそらく)不完全なレギュラーシーズンによって決定された順位と抽選確率に不満を募らせるかもしれませんが、リーグには抽選確率を変更しない理由がいくつかあることも理解しておかなければなりません。
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一つは、今シーズン全てのチームが63~67試合を既に終えているということで、これはレギュラーシーズンの75%を完了していることを意味します。
確かにレギュラーシーズンの残された試合で多少の順位の変動はあったかもしれませんが、かといって十分な試合数をこなせていないかと言われれば、そうでもありません。
そのため、今の順位のままドラフトの抽選確率を決めたとしても、公平性に欠けるとは言えないでしょう。
もう一つは、リーグが昨年にドラフトの抽選確率を変更したことです。
かつての方式では、全体3位までの指名権のみが抽選となり、4位以降は成績が低かったチームから順に指名権を獲得できました。
最も成績の低いチームはドラフト1位指名権の当選率が最高の25%に割り当てられ、当選率も成績が低いチームから順に下がっていくというものです。
しかし新たな方式では、全体4位までの指名権が抽選となり、全体1位指名権の当選率は成績下位3チームが最大の14%、そこから成績が低いチームから順に下がっていくというものになりました。
要するに、上位指名権(4位まで)の当選率が低いチームにもチャンスが増えたということで、その結果として昨年のドラフト抽選は以下のようになりました。
▼上位指名権の当選率が低かったチームの結果
チーム | 1位指名権の当選率 | 予想 | 結果 |
ニューオーリンズ・ペリカンズ | 7.5% | 7位 | 1位 |
メンフィス・グリズリーズ | 6.0% | 8位 | 2位 |
ロサンゼルス・レイカーズ | 2.0% | 11位 | 4位 |
※1位指名権の当選率は、2~4位指名権の当選率の参考。2~4位指名権の当選率も、成績が良いチームほど当選率は下がる。
▼成績下位3チーム(1位指名権の当選率が14%のチーム)の結果
チーム | 予想 | 結果 |
ニューヨーク・ニックス | 1位 | 3位 |
フェニックス・サンズ | 2位 | 5位 |
クリーブランド・キャバリアーズ | 3位 | 6位 |
上位指名権の当選率が低いチームにチャンスを与えすぎてしまっているのか、それとも偶然のこのような結果になったのかは、一度の抽選では分かりません。
新たな抽選方式が納得できるものであるかどうかを理解するには、たとえ不完全なレギュラーシーズンであったとしても、回数を重ねなければ判断できないのです。
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またドラフト抽選のほかにも、今週はドラフトに参加する選手の身体能力や健康状態、インタビューを直接見ることができるコンバインが、シカゴで開催される予定でした。
通常であれば1週間に渡って数百人規模が集まるイベントですが、当然ながらこちらも延期されています。
とはいえボンテンプス記者によれば、リーグは無期限にコンバインを延期しているものの、年内中に開催することを検討し続けているようです。