ジェレミー・リンは昨年のプレイオフでトロント・ラプターズの一員として優勝を経験した後、CBA(中国のプロバスケットボールリーグ)の北京ダックスと契約を結び、NBAを去る決断を下しました。
それから約1年――ダックスのプレイオフ準決勝進出に貢献したリンは、再びNBAの夢を追求するために米国へ戻っています。
リンは中国版ツイッター(ウェイボー)の中で、ダックスを離れる決断について「自分の人生の中で最も大変なものだった」と語りました。
「毎朝4時か5時に目を覚ましては考え抜いていた。首鋼(ダックス)は信じられないほど良い扱いをしてくれたし、あらゆるものを与えてくれた。だけど、僕は今でもNBAの夢を持っているように感じるんだ。
僕にはまだ(NBAで)プレイする時間が残っているし、この夢を追いかける必要があると思う」
Channel News Asia
リンは2018-19シーズンの開幕時点ではアトランタ・ホークスに所属しており、51試合の出場で平均10.7得点、2.3リバウンド、3.5アシストを記録しました。
その前の2年間を怪我に悩まされていたリンにとっては、少しばかりとはいえ復活するには良い時間だったでしょう。
しかし、彼はトレード期限直前にホークスからラプターズへ放出されました。
そこでリンは優勝を経験した史上初のアジア系アメリカ人となりましたが、彼はプレイオフの時点でチームのローテーションから外れており、プレイオフ全体でわずか27分しか出場時間を得られなかったため、自身の貢献度の低さにフラストレーションを溜めていました。
そして、優勝後のオフシーズンにリンを待ち受けていたのは、NBAの厳しい”ビジネス”の側面でした。
リンはベンチ起用される分には堅実なポイントガードのスキルを備えていましたが、そもそも優れたポイントガードが多い現代のNBAにおいて、既に30歳を超えていた彼を必要とするチームは無かったのです。
こうした経緯からNBAを去ることになったリンですが、CBAでの1年間の経験を経て、彼は再びNBAの”ビジネス”に立ち向かおうとしています。
もちろん、32歳の彼を必要とするチームが今度こそ現れるという保証も無ければ、かつてNBAを席巻した”リンサニティ”が起きる可能性も、奇跡に等しいかもしれません。
それでも、NBAでプレイする夢をもう一度叶えたいのであれば、彼の決断を支持するのみです。