10月9日(日本時間10日)に行われたマイアミ・ヒート対ロサンゼルス・レイカーズのNBAファイナル 第5戦は、王手をかけられて負けられないヒートが111-108で接戦を制し、意地のシリーズ2勝目を挙げました。
ここでは、そんな第5戦の勝敗を分けた5つのポイントを振り返ってみることにしましょう。
ジミー・バトラーのクラッチ力
この日、ヒートのジミー・バトラーは35得点、12リバウンド、11アシスト、5スティール、1ブロックを記録し、レブロン・ジェームズに次いで史上2人目となるファイナルで複数回のトリプルダブルを達成した選手となりました。
47分12秒という出場時間を記録しながら、最初から最後まで影響力を与え続けていたバトラーでしたが、その中でも彼が本当に素晴らしかったのはクラッチタイム(第4クォーター残り5分以内かつ5点差以内)でのパフォーマンスでした。
第5戦のクラッチタイムはヒートが15-9で上回りましたが、そのうちバトラーだけでレイカーズを上回る11得点(自身の8得点と、ダンカン・ロビンソンの3ポイントシュートへのアシスト)に貢献していたのです。
バトラーは3ポイントシュートを打たない中で、ペリメーター内でプルアップやフェイドアウェイショット、そしてリムへのアタックでフリースローをもぎ取るなど、様々なスキルを駆使してチームに得点を与えていきました。
肩で息をしながらも最後までチームを勝利に導くためにガッツを見せたバトラーは、まさにヒートカルチャーを具現化した存在であり、これ以上ない第5戦の勝者でもありました。
Sacrifice it all. Round 5 goes to us.#HEATCulture pic.twitter.com/wXDFGuPN60
— Miami HEAT (@MiamiHEAT) October 10, 2020
痛恨のターンオーバー
第4クォーター残り6分51秒以降、常に1ポゼッション差(3点差)以内の均衡した試合に終わりを告げたのは、レイカーズの痛恨のターンオーバーでした。
ジミー・バトラーが残り16.8秒に2本のフリースローを沈めてヒートが逆転し、レイカーズが最後のタイムアウトを使った後、レイカーズはそれまで通りレブロン・ジェームズからポゼッションを開始しました。
ジェームズがリムへのアタックを開始すると、当然それを警戒していたヒートの選手たちは彼を3~4人がかりで止めようと向かいます。
それからトップに立っていたダニー・グリーンにパスを送ったまでは、レイカーズの計画通りだったかもしれません。
しかし、グリーンは逆転の3ポイントシュートを決めることができませんでした。
レイカーズのマーキーフ・モリスはそのリバウンドを拾うことに成功したものの、彼がアンソニー・デイビスに出したパスは頭上を通り過ぎ、ターンオーバーとなってしまったのです。
Markieff had Danny Green wide open two feet away pic.twitter.com/7zb61yoZUi
— Lang Whitaker (@langwhitaker) October 10, 2020
通常であれば、デイビスにそのパスが入る可能性は十分にあったでしょう。
しかし、この時はヒートのバム・アデバヨがデイビスにポジションを取らせまいと、デイビスに対して背後から厳しいプレッシャーをかけていました。
モリスのパスを出すタイミングが早かったことも相まって、デイビスはパスを受け取る準備ができておらず、そのターンオーバーは試合の結末を左右するものとなってしまいました。
ダンカン・ロビンソンのステップアップ
ヒートのダンカン・ロビンソンは第5戦だけで7本の3ポイントシュート成功を含む26得点を記録し、チームの勝利に欠かせない活躍を残しました。
第4戦の終了時点でロビンソンの3ポイントシュートの成功数が計8本であったことを考えると、彼のステップアップは驚くべきものでしたが、同時にそれはヒートが最も待ち望んでいることの一つでもありました。
第3戦のケリー・オリニクもそうであったように、ジミー・バトラーがペリメーター内で生産性を増やすためには、3ポイントシュートによる脅威が必要となってきます。
また、レブロン・ジェームズがファイナルでのキャリア最多となる6本の3ポイントシュートを決めた中で、それを打ち消したという意味でも、ロビンソンの働きがいかに大きかったかは明らかでしょう。
不十分だったロールプレイヤー
レブロン・ジェームズは40得点、アンソニー・デイビスは28得点と十分な得点力を見せつけたにも関わらず、レイカーズはブラックマンバ・ジャージに初めて土を付けることになりました。
ジェームズとデイビスが60得点以上を記録しながら敗れたのは、今季2度目の出来事です。
これが起きた理由は、レイカーズのロールプレイヤーのパフォーマンスにも関係があります。
第5戦でレイカーズが挙げた108得点のうち、ジェームズとデイビスのどちらか一方が関わってた(得点もしくはアシスト)のは87得点で、これは全体の81%にもなります。
また、ジェームズとデイビスが計フィールドゴール36本中24本(66.7%)を成功させたのに対し、それ以外の選手たちは計フィールドゴール46本中14本の成功(30.4%)に終わりました。
2つの4点プレイ
別の大きな場面は、第3クォーターにヒートが2本の4点プレイを決めたところでしょう。
1本目はヒートが78-77でリードした状況からのジェイ・クラウダーの3ポイントシュート、2本目はヒートが82-80でリードした状況からのダンカン・ロビンソンの3ポイントシュートでした。
!BOSSMAN WITH THE 4-POINT PLAY.! pic.twitter.com/IpUJvdytKR
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Duncan Robinson (20 PTS) with his 5th trey of the night... this time a 4-point play!@MiamiHEAT 88@Lakers 82
— NBA (@NBA) October 10, 2020
Headed to the 4th quarter of Game 5 on ABC. #NBAFinals pic.twitter.com/QrlnGtq46Q
これらのプレイによってヒートは追いつかれこそすれどリードは許さず、レイカーズに流れを与えませんでした。
終盤も1ポゼッション差の展開が続いていたことを考えると、これらの4点プレイによってヒートが獲得した8得点は何気なく大きな結果をもたらしました。
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【NBAファイナル2020】レイカーズが優勝に王手、第4戦の勝敗を分けた2つのポイント
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