先日、ヒューストン・ロケッツのダリル・モーリーGM(ゼネラルマネージャー)が退任したことを受けて、彼が在任中に下した大きな決断の一つ――クリス・ポールとラッセル・ウェストブルックのトレードについて、興味深い噂が広まっています。
『ESPN』のザック・ロウ記者が司会を務めるポッドキャスト『The Lowe Post』に出演した『ESPN』のティム・マクマホン記者が、ポールとウェストブルックのトレードの舞台裏について語りました。
マクマホン記者によれば、トレードが起きた理由はロケッツのオーナーであるティルマン・ファティータと、チームのスーパースターであるジェームズ・ハーデンが望んでいたためだとされています。
「ティルマン・ファティータが、クリス・ポールの契約をビジネスやスポーツにおいて”最悪”なものだと思ったことで(トレードを)望み、ジェームズ・ハーデンもそれを望んでいた。ジェームズ・ハーデンとは明らかに個性の対立があり、これらのことは全て十分に報道されている。…今でも、私はその状況を落ち着かせられたと信じているし、組織の多くの人間もそのように信じている。
しかし、ラッセル・ウェストブルックが獲得可能になったことで、ティルマンとハーデンがその機会を捉えて飛びついた。ダリル・モーリーは組織内で最大のクリス・ポールの支持者だった。彼(モーリーGM)が反対しながらもトレードを行ったことや、完全に信じていないにも関わらずトレードを行ったという話は聞いていない。しかし、2人のボス――ティルマンとハーデンが”このトレードを成立させたい”と言った取引だったと思わずにはいられない。彼(モーリーGM)はそれを叶えるために、やるべきことをやったのだ」
The Lowe Post
確かに、ポールの契約はリーグでもかなり悪い部類として見なされています。
昨季はオクラホマシティ・サンダーで素晴らしいリーダーシップを発揮し、オールスター出場を果たしたとはいえ、35歳の選手に年間4,000万ドル前後の給与を払うのはリスクが高すぎます。
故に、多くのチームはキャップスペースの多くを埋めてしまう懸念から、ポールの獲得に漕ぎ着けずにいます。
しかし、彼の契約をビジネスやスポーツにおいて”最悪”のものと見なすのは、正しい表現とは言えません。
ポールはまだコート上で高いレベルでプレイを続けており、彼は得ている報酬に対して全く生産性が無いわけではないのです。
ファティータの主張は、ある意味ではロケッツが過去数年間で目標を達成できずにいる理由を表しているとも考えられるでしょう。
金銭を惜しまないことが成功に繋がるわけではありませんが、ロケッツのオーナーがポールの放出について”契約”を理由にしているようでは、事態を好転させるには時間がかかりそうです。
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ロケッツのダリル・モーリーGMが退任、揺れる今後のチームスタイル
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