ヒューストン・ロケッツのフォワードであるロバート・コビントンが、ポートランド・トレイルブレイザーズにトレードされることを、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が報じています。
一方で、ブレイザーズはベテランフォワードのトレバー・アリーザと、2020年のドラフト1巡目指名権(全体16位)、保護付きの2021年のドラフト1巡目指名権をトレードするようです。
したがって、両チームが放出した選手や資産は、以下のようになります。
ロケッツ | トレイルブレイザーズ |
ロバート・コビントン | トレバー・アリーザ 2020年ドラフト1巡目指名権(全体16位) 2021年ドラフト1巡目交換権(保護付き) |
今年2月にミネソタ・ティンバーウルブズからロケッツにトレードされて以降、コビントンのトレードの噂は少なかっただけに、今回のトレードの成立はやや驚くべきものです。
同時に、これはロケッツの来季の方針を表していると言えるかもしれません。
ここ最近では、ロケッツのスーパースターであるジェームズ・ハーデンやラッセル・ウェストブルックがトレードを要求しているという噂に注目が集まっています。
そのため、堅実なロールプレイヤーの一人であるコビントンの放出は、ロケッツの大規模な変革の第一歩となる可能性があるでしょう。
昨季を通じてウィングの選手を切実に必要としていたブレイザーズにとって、優秀な3&Dプレイヤーであるコビントンの加入は非常に心強いものです。
昨季のレギュラーシーズンのコビントンは3ポイントシュート成功率 33.5%とあまり良くなかったものの、プレイオフでは1試合あたり5.7本の3ポイントシュート̪試投数で成功率 50.0%を記録しているため、来季もスペースを広げる役割を期待することはできます。
また、コビントンは複数のポジションを守ることができ、ディフレクションやスティール、ブロックによって相手に自由を与えないリーグ屈指のディフェンダーとして知られており、2018年にはオールディフェンシブ1stチームにも選出されました。
同じく3&Dプレイヤーであったアリーザと、将来の1巡目指名権を手放すことになったブレイザーズですが、ロスターのアップグレードという意味では成功を収めたと言えるのではないでしょうか。
デイミアン・リラード、CJ・マッカラム、ユスフ・ヌルキッチ、そしてコビントンといった先発陣であれば、強豪がひしめくウェスタン・カンファレンスでも渡り合うことが期待できます。
一方で、ロケッツにとってアリーザは馴染み深い選手です。
アリーザは2009‐10シーズンと、2014年から2018年にかけての計5年間に渡ってロケッツに所属していた経験があり、今回で3回目の加入となります。
コビントンと同様に、今年2月のトレード期限直前にサクラメント・キングスからブレイザーズへトレードされたアリーザは、移籍後21試合(平均33.4分)の出場で平均11.0得点、4.8リバウンド、フィールドゴール成功率 49.1%、3ポイントシュート成功率 40.0%を記録しました。
ただ、現在のロケッツに再建の可能性も浮上し始めたことを考えると、35歳のアリーザとロケッツの時間はそれほど長くは続かないかもしれません。
どちらかと言えば、ロケッツが今回のトレードを行った理由は将来のドラフト指名権の確保のように思えます。
昨年のオフシーズンにウェストブルックをトレードで獲得した際、複数の将来の1巡目指名権を手放したロケッツにとっては、ここで2つの1巡目指名権を確保できたのは良いことであったと言えるでしょう。
『ESPN』のボビー・マークス記者によると、コビントン(1,210万ドル)とアリーザ(1,280万ドル)の来季の契約はほぼ同等であるものの、アリーザは契約の大部分が非保証であるため、完全保証に切り替える必要があると指摘しました。
また、2年連続したドラフト指名権を放出することはできないため、現時点でこのトレードを成立させることはできません。
11月18日(19日)に開催される2020年のNBAドラフトで、ブレイザーズがロケッツの代わりに全体16位で選手を指名することによって2020年のドラフト指名権は効力を失うため、その直後から今回のトレードは成立可能となります。
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