デトロイト・ピストンズとニューヨーク・ニックスの間で、デリック・ローズを含むトレードが行われたことを『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が報じました。ローズにとっては2016-17シーズン以来となるニックスへの帰還となっています。
今回のトレードで両チームが獲得した選手や資産は以下のようになっています。
ニックス | ピストンズ |
デリック・ローズ | デニス・スミスJr. 2021年ドラフト2巡目指名権(元ホーネッツ) |
ベテランのスコアリングガードであるローズが、発展途上のニックスのローテーションにどのような影響を与えるかは興味深いことでしょう。ガード陣のエルフリッド・ペイトン、イマニュエル・クイックリーやオースティン・リバースは、ローズと出場時間を共有することが予想されますが、ニックスのトム・シボドーHC(ヘッドコーチ)はディフェンス志向な指揮官であるため、必ずしもローズに多くの出場機会を割り振るとは言い切れません。
過去数年間のニックスが若い選手の育成に力を入れてきたことを考えると、23歳のスミスや、ドラフト2巡目指名権を手放したことは少し意外な決断でもあります。しかし今季のニックスは11勝14敗でイースタン・カンファレンス8位につけており、8年ぶりのプレイオフ進出も視野に入っています。今回のトレードは、ニックスのプレイオフ進出に対する本気度が伺える決断でもあるといえるでしょう。
ローズの獲得に関心を持っていたのはニックスだけではありませんでした。『Yahoo Sports』のビンセント・グッドウィル記者によれば、ロサンゼルス・クリッパーズやマイアミ・ヒート、ブルックリン・ネッツといったチームも関心を持っていたようです。
『The Athletic』のシャムス・シャラニア記者によれば、ピストンズとローズは、ニックスとのトレードについて双方で合意に至ったようです。ローズは以前、シカゴ・ブルズとミネソタ・ティンバーウルブズでシボドーHCの指揮下でプレイしていた経験があったため、ニックスを”優先的な移籍先”として希望していたことが報じられています。
2019年のオフシーズンにピストンズと2年1,500万ドルで契約を結んだローズは、契約最終年の今季に平均14.2得点、1.9リバウンド、4.2アシスト、フィールドゴール成功率 42.9%、3ポイントシュート成功率 33.3%を記録しています。3ポイントシュート成功率以外の数字は全て昨季よりも減少しているものの、それでもローテーションプレイヤーとしての堅実な貢献は期待できるでしょう。
一方でピストンズにトレードされたスミスは、ニックスのローテーションから外された選手でした。今季はわずか3試合しか出場していないものの、再建の兆候があるピストンズでは今よりも大きな役割を与えられるかもしれません。また、2020年のドラフト7位指名選手であるキリアン・ヘイズが腰の怪我で数週間の離脱となっており、彼の代わりにデロン・ライトが先発を務め、2way契約のセイベン・リーがリザーブを担っていることから、ピストンズのガード陣は手薄な状態になっています。
今季終了後、ローズは無制限フリーエージェント、スミスは700万ドルのクオリファイングオファーを提示されることで制限付きフリーエージェントとなります。ニックスはローズのバード権を保持しており、アーリーバード例外条項を適用すれば、サラリーキャップを超過して彼と再契約を結ぶことが可能です。
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