ヒューストン・ロケッツのスターであるジェームズ・ハーデンがチームにトレードを要求していることは周知の事実であり、これまでは彼がブルックリン・ネッツ、フィラデルフィア・76ers、ミルウォーキー・バックス、マイアミ・ヒートのいずれかにトレードされることを希望していることが報じられてきました。
ここに新たなチームが加わります。ハーデンがトレード先の希望にボストン・セルティックス、ポートランド・トレイルブレイザーズの2チームを追加したことを、『The Athletic』のサム・アミック記者が報じました。
ロケッツとハーデンの関係は悪化の一途をたどっています。ロケッツがオフシーズンにチーム練習を開始する時、ハーデンはラスベガスやアトランタでパーティーに参加していました。ロケッツのスティーブン・サイラスHC(ヘッドコーチ)は、ハーデンがチームの練習に参加しなかったことについて「妨げ」という言葉を使いました。
チーム練習に復帰し、プレシーズンの試合に出場した後には、チームメイトとの問題も発生しました。『The Athletic』のシャムス・シャラニア記者によれば、ハーデンは練習中にチームメイトと口論に発展しただけでなく、新人選手のジェショーン・テイトにボールを投げつける場面もあったようです。
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ジェームズ・ハーデンとチームメイトの間に亀裂か、新人選手にボールを投げつける場面も?
こうした出来事から、チームに悪影響を及ぼしかねないハーデンがトレードされるのは時間の問題でしょう。ただ、現時点でトレードの成立に差し迫った報道はありません。
76ersはハーデンのトレード先の最有力候補として挙げられています。76ersの運営部門のダリル・モーリー代表は、昨季まで長年に渡ってロケッツのGM(ゼネラルマネージャー)を務め、ハーデンと共に多くの成功を収めてきた繋がりがあるためです。そのため、ハーデンの見返りとして若きスターのベン・シモンズがトレードされる可能性についても憶測が飛び交っています。しかし、モーリー代表は先日、シモンズをトレードする意思が無いことを明言しました。
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「我々はベン・シモンズをトレードしない」――76ersのダリル・モーリー運営部代表の主張はどこまで信用すべき?
ネッツには若い優秀な選手が何人か居ますが、ロケッツが彼らに要求するものはそれだけではありません。ロケッツは2018年のシーズンMVP受賞者を失う代わりに、ネッツのスターであるケビン・デュラントかカイリー・アービングをトレードに含めることを要求しています。当然、ネッツが彼らのどちらか一方を手放すとは思えないでしょう。彼らはどちらも長い時間をかけて完全な健康を取り戻し、ネッツの首脳陣はスターのデュオがコートでどのように機能するか見てみたいと考えているためです。
バックスは資産的な意味でトレードの成立が困難です。彼らはこのオフシーズンにドリュー・ホリデーをトレードで獲得するため、チームに貢献できる優れたローテーションプレイヤーや、3つのドラフト1巡目指名権を手放しました。
ヒートはこのオフシーズンにバム・アデバヨと5年間の延長契約を結んでいるため、彼を手放すことはまずありません。ただ、タイラー・ヒーローやケンドリック・ナンといった若い有望な選手は居るため、ヒートが彼らを放出し、優勝に近づいたロスターに大きな変化を加えたいと感じているかどうか次第でしょう。
ロケッツはハーデンを手放す見返りとして、複数の将来のドラフト1巡目指名権や、将来的にフランチャイズに大きく貢献することができそうな若い選手を獲得することを望んでいます。ハーデンのトレードはロケッツの将来を左右する大きな決断であるため、当然ながらチームは彼の要求よりも、彼の価値を最大限に活用できるトレードを探しているでしょう。
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ジェームズ・ハーデンの希望を叶えすぎたロケッツ