2020年のオフシーズンにヒューストン・ロケッツのヘッドコーチに就任したスティーブン・サイラスは、2020‐21シーズンが開幕する前から厄介な問題に直面しました。スターのジェームズ・ハーデンとラッセル・ウェストブルックがチームにトレードを要求したためです。
ウェストブルックは希望通りトレードされ、新たにワシントン・ウィザーズのスターであるジョン・ウォールが加入しました。しかし、ハーデンは今もチームに残り続けています。幸いにもハーデンは自身の才能をコート上で発揮していますが、別の都市で行われたパーティーの参加によってチーム練習への合流が遅れたり、チームメイトとの口論によってケミストリーが損なわれたり、リーグの安全衛生プロトコルに違反して罰金処分を受けたり、あまり良い話題は耳にしません。
シーズン開幕戦に予定されていたオクラホマシティ・サンダーとの一戦は、違反や検疫、故障離脱などによってロケッツが試合を行うために十分な選手を揃えることができず延期となりました。その後、ロケッツは2試合を行うことができましたが、依然としてウォールやデマーカス・カズンズ、ケニヨン・マーティンJr.、エリック・ゴードン、クリス・クレモンズ、メイソン・ジョーンズ、ベン・マクレモアらはリーグの安全衛生プロトコルに準拠しているため、欠場を余儀なくされています。結局、ロケッツは両方の試合で敗れました。
間違いなく今のリーグで最も大変な指揮官であろうサイラスHC(ヘッドコーチ)は初勝利を求めています。彼にとって救いがあるとすれば、ハーデンが指揮官の働きに満足しているということでしょう。『USA Today』のマーク・メディナ記者によれば、12月28日(日本時間29日)のデンバー・ナゲッツ戦に124‐111で敗れた後、ハーデンはサイラスHCについて「素晴らしい仕事をした」と称賛のコメントを残しました。
「彼は非常に自信を持っている。自分が何を描いているのか、選手をどのように起用すべきか理解していた」
過去に指揮官の経験が無いサイラスHCは、スーパースターの称賛を素直に受け止めました。
「特に新しいヘッドコーチとして、働きに満足していると言ってくれる選手が居ることは大きな意味がある。私がやっていることの多くは、私自身が信じて見てきたもの。彼や他の選手から意見を貰えるのは嬉しいよ」
サイラスHCはまた、トレードを要求しているハーデンを「献身的」と言い、彼の人間性を称賛しています。
「彼は実際には素晴らしい選手。話したり聞いたりするのが上手だし、良い質問もしてくれるし、私を引っ張ってくれたり、自分の経験を教えてくれたりする」
遅かれ早かれハーデンのトレードが実現する可能性は高いと考えられていましたが、ロケッツは彼の要求に応えていません。彼らにとってはハーデンがサイラスHCの指揮下で満足してくれることを理想としており、現時点ではシナリオ通りに進んでいるようです、
戦力が枯渇している中でのハーデン(平均39.0得点、12.5アシスト)とクリスチャン・ウッド(平均27.0得点、8.0リバウンド)の活躍に、チームは勇気づけられています。ロケッツが主要メンバーを取り戻した時、彼らは本格的に2020‐21シーズンを戦う準備が整うでしょう。
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