今季のマイアミ・ヒートのバム・アデバヨは、昨季に大躍進した自身をさらに上回ろうとしています。1月1日(日本時間2日)のダラス・マーベリックス戦でチームメイトがシューティングに苦戦し、最初の14本の3ポイントシュートを全て外していたのに対し、アデバヨはフィールドゴール12本中8本成功の19得点と効率的であったことが、それを物語っています。
今季開幕以降のアデバヨのスタッツに目を向けると、特に彼がどれだけシューティングの面で改善されたか知ることができます。昨季のアデバヨは、0~10フィート離れたエリアから放ったショットが全体の78.2%を占めていました。しかし、昨季と比較して今季の数字は16.7%減少しています。一方で、10~16フィート離れたエリアでは14.4%から22.8%に、16フィートから3ポイントラインまでのエリアでは5.6%から15.8%に増加しています。
さらに注目すべきは、これらのショットの成功率も増加しているということです。10~16フィートのエリアから放ったショットの成功率は40.4%から61.5%に、16フィートから3ポイントラインまでのエリアから放ったショットの成功率は22.7%から44.4%となりました。両方の数字とも、昨季と比較して20%以上も増加しています。
こうしたシューティングの改善によって、アデバヨのショットの平均距離も昨季から2.0フィート離れています。アデバヨはシューティングに対する自信を高めているため、今後さらに平均距離を伸ばすかもしれません。現時点で判断するには時期尚早ですが、これらの数字の変化はアデバヨがオフェンス面でより脅威になることを意味します。
現状、相手チームはペイント内でアデバヨをどのように封じ込めるのか考えています。それはさながら昨季のヤニス・アデトクンボと同じ状況です。アデバヨがシュートレンジを広げれば広げるほど、ディフェンダーは彼のジャンプシュートやドライブにも警戒する必要が出てきます。もちろんペイント内を手薄にするわけにはいきません。今季のアデバヨは、0~3フィートのエリアから放ったショットの成功率が82.6%となっています。これは昨季と比較して10%以上増加しており、キャリア最高の数字でもあります。
アデバヨの成長を最大限に活かすためにも、チーム全体の改善も必要不可欠です。スターのジミー・バトラーやローテーションの不安定性も重なり、ヒートのオフェンシブ・レーティング(100ポゼッションあたりの得点)はリーグ28位の101.8ポイントとなっています。アデバヨにプレッシャーがかかる機会が増えれば、チームのオフェンスはより停滞してしまうでしょう。
アデバヨがシューティングの改善を証明していることによって、ヒートはNBAファイナルの舞台に戻るチャンスを残しています。バトラーが健康を取り戻し、エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)が今季のローテーションを確立させてオフェンスに流動性が生まれれば、ヒートが昨季の躍進にどれだけ近づけるか注目を集め直すようになります。
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