2004年12月9日、トヨタ・センターで行われたヒューストン・ロケッツ対サンアントニオ・スパーズの一戦で「NBA史上最大の逆転劇」が生まれました。
それは「33秒間に13得点」というもので、ロケッツのトレイシー・マグレディが「たった一人」で成し遂げたものです。
第4クォーター開始時、54-58と4点ビハインドだったロケッツでしたが、点差を詰めることができず、残り44.2秒で68-76となってしまいます。
しかし、試合が終わるまで何が起こるかわからないのがスポーツの世界。
ここからマグレディの伝説の逆転劇が始まるのです。
▼マグレディの魅せた逆転劇!!▼
残り35.0秒に決めたスリーポイントシュートを皮切りに、逃げるスパーズを徐々に徐々に追い詰めていきます。
残り24.3秒にはファウルをもらいながらのスリーポイントシュートで4点プレイ。
残り11.2秒にもスリーポイントシュートを決め、逆転を視野に入れると・・・
残り1.7秒で見事スリーポイントシュートを沈めて81-80と逆転に成功、最後のスパーズのショットは外れ、歴史に残る逆転劇が誕生しました。
この日のマグレディは33得点、決めたスリーポイントシュートは計5本と、決して絶好調というわけではありませんでした。
それでもマグレディは、自身がとても得意としたクラッチタイムで最高に真価を引き出し、チームを勝利に導きました。
マグレディは試合後、「リングが大きく感じたんだ。チャンスをものにしたかった。」とコメント。
この逆転劇は多くの人々も称賛しており、当時かつ現スパーズのヘッドコーチのグレッグ・ポポヴィッチは「信じられなかった。」と語っています。
当時、ロケッツのヘッドコーチをしていたジェフ・ヴァン・ガンディも「奇跡」と言っており、まさにかつてない逆転劇だったことがわかります。
そんな大逆転劇だっただけに、やはりこの奇跡が起きる前に会場を後にしてしまうファンも多かったようで、逆転劇を見られなかったファンの間では「悲劇」と呼ばれたそうです。
またいつの日か、多くの客が先に帰ってしまうほどの大逆転劇を見てみたいものですね。