カーメロ・アンソニーがリーグトップクラスのスコアラーであったのは過去の話で、リーグのエグゼクティブの一部には、カーメロがこのまま引退してしまうと考える人もいます。
確かに2018-19シーズンにヒューストン・ロケッツでわずか10試合に出場した時は、1試合あたり平均13.4得点、5.4リバウンド、3PT成功率 32.8%と、明らかにインパクトに欠けていたかもしれません。
しかし、ジェームズ・ハーデンとクリス・ポールという2人の優れたボールハンドラーが居たために、カーメロがロケッツにフィットしなかったという考え方も出来るでしょう。
よる衰えがあったとしても、カーメロはトップクラスのスコアラーの血を引く選手であり、どこかのチームがカーメロを獲得するために動く可能性は常に存在しています。
ここでは、最も考えられるカーメロ・アンソニーの4つの移籍先を見ていくことにしましょう。
マイアミ・ヒート
ヒートがプレイオフに進出し、その中で戦うことを望むであれば、オフェンス面の改善はほぼ必須でしょう。
ジミー・バトラーが今夏に加入したといえ、昨季リーグ26位に終わったオフェンシブ・レーティング(106.7)が、一気に跳ね上がるとは思えません。
しかし、カーメロがバックアップのパワーフォワードとして起用されれば、チームのオフェンスはもう少し改善される可能性があります。
特に、今のバックアップのパワーフォワードであるジェームス・ジョンソンは怪我もあり、昨季の後半にはローテーションから外されていました。
カーメロが加われば、ジョンソンのアップグレードとなる可能性があります。
『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー氏によれば、ヒートの指揮官であるエリック・スポールストラHCは、昨年の夏にカーメロがまだ機能することを信じていたようです。
「マイアミのコーチであるエリック・スポールストラは、パワーフォワードとしてヒートで大きな役割を果たせるカーメロ・アンソニーと、契約することを強く勧めている」
もちろんカーメロが補助的な役割を受け入れる必要がありますし、そもそもヒートがまだカーメロに関心を持っているかは分かりません。
しかし、昨季のカーメロとドウェイン・ウェイドの関係や、カーメロがキャリア最後のシーズンにするであろうことを考えると、両者が互いを最大限に活用できると信じられる理由もあります。
ミルウォーキー・バックス
ニコラ・ミロティッチがユーロリーグへ戻った今、カーメロはその穴を埋める存在になれるかもしれません。
ヤニス・アデトクンボとクリス・ミドルトンの存在は相手チームにとって脅威となり、バックスほど効率よく多くのスリーポイントシュートを打てるチームはそう無いでしょう。
バックスはカーメロが居なくとも十分に優れたチームですが、彼を加えられればより多くの選択肢が増える可能性もあります。
フィラデルフィア・76ers
JJ・レディックのニューオリンズ・ペリカンズ移籍によってシューターが欠けた76ersは、カーメロを獲得するのも一つの手となるでしょう。
バックアップのパワーフォワードは既にマイク・スコットが居ますが、彼とはまた別の役割――特に得点面でベン・シモンズやジョエル・エンビードらの助けになれるかもしれません。
全てがうまくいけば、カーメロは試合終盤を託される選手になる可能性さえあります。
昨季まではジミー・バトラーがその役割を担っていたものの、彼がマイアミ・ヒートへ去った今、試合終盤を誰が統率し、誰がラストショットを打つかは不明です。
カーメロが全盛期ほどの能力を持っていないことは明らかですが、経験豊富で、少ない役割でも影響及ぼせるのであれば、76ersが彼を獲得するのは悪い話ではないでしょう。
ロサンゼルス・レイカーズ
マイアミ・ヒートと同様に、レイカーズにもカーメロと関係を持った選手――レブロン・ジェームズが存在します。
そして、カーメロの加入を歓迎するのはレブロンだけではありません。
『Los Angeles Times』によれば、3年目を迎えるカイル・クーズマは、カーメロがレイカーズに加わることについて次のように語っています。
「メロは、今のリーグの半分の選手より優れている。間違いないよ。彼は今、チームに所属しているべきなんだ。彼はまだベストプレイヤーの一人。彼を非難するなんて、僕には理解できないね。それが世の中の現状なのかもしれない。ロサンゼルスで彼と会うのは素晴らしいことだけど、それを決めるのは僕たちじゃないんだ。これらの決断を下すのは、(ゼネラルマネージャーの)ロブ(ペリンカ)次第さ。彼がここまでこのチームを作り上げて、素晴らしい仕事をしたからね」
実際に何が起こっているかは分かりませんし、夏にレイカーズがカーメロの獲得に動くとも言えませんが、レギュラーシーズン中にそれが行われる可能性も少なからずあります。
彼の得点能力は、レイカーズのベンチからの得点の助けとなり、何よりレブロンやアンソニー・デイビスたちとコートに立つとなれば、それはそれで面白いものが見られるでしょう。