2週間もあれば、現実が予測と全く異なる方向に進むのはおかしな話ではありません。
2週間前、私たちはゴールデンステイト・ウォリアーズがプレイオフに進めるのかどうかを議論していました。
今、その議論の必要性は無いようです。
2週間前、私たちはシカゴ・ブルズやサクラメント・キングス、ニューオリンズ・ペリカンズに密かな期待を抱いていました。
そんな期待は既に裏切られています。
ロサンゼルス・レイカーズは未知のチームだから苦しむのか?フェニックス・サンズは再びNBA最悪のチームとしてシーズンを過ごすのか?
その答えはいずれも「ノー」です。
様々な物事が変化したのであれば、シーズン前に予測していたMVPの候補者にも、変化はあるのではないでしょうか?
例えば、ウォリアーズのステフィン・カリーは左手の骨折で3ヶ月の欠場となるため、今シーズンのMVPを受賞する可能性は露と消えました。
逆に、予想以上に素晴らしいスタートを切っている選手もいます。
シーズンはまだ始まったばかりですが、2週間で多くのことが変化したという事実も踏まえ、ここでは今シーズンのMVP候補を大まかに再評価してみることにしましょう。
まだ可能性あり
ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)
スタッツ | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 36.6 | 5.1 | 7.4 |
チームメイトがクリス・ポールからラッセル・ウェストブルックに変わったからと言って、シーズン序盤のリーディングスコアラーがハーデンでなくなることは無いようです。
MVPを決める上で、得点のスタッツは非常に大きな力を持っているため、最初の7試合で平均36.6得点を記録しているのは大きな強みでしょう。
ただし、彼のフリースロー試投数と成功数はあまりにも非現実的で、試投数は2位のヤニス・アデトクンボと比較しても既に40本以上の差が、成功数も2位のアンソニー・デイビスとは倍近い差が付いています。
全体の得点の3分の1以上がフリースローによる得点というのは奇妙ですが、ハーデンの場合はフリースローの試投数が今後減っていったとしても、MVP級の活躍を残すことは十分に期待できるでしょう。
デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
スタッツ | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 31.1 | 5.0 | 7.3 |
個人のパフォーマンスで言えば、MVPを受賞するには十分な成績を残しています。
ただし、3勝4敗のスタートを切っているチームの成績が上がらない限り、MVPが与えられることは無いでしょう。
ここ数年間でブレイザーズは着々と力を付けてきたため、チームメイトがリラードをどれだけ支えられるかによって、彼の実績は変わってくるかもしれません。
ドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ)
スタッツ | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 25.7 | 4.7 | 3.3 |
ミッチェルのスタートも、堅実で評価には値するでしょう。
しかし、チームの成績は4勝3敗と中途半端であるため、デンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチや、ブレイザーズのリラードと同様に、チームがリーグトップクラスの成績を収められなかった場合、自身の成績が極めて良くない限り評価されない可能性があります。
依然として順当
ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)
スタッツ | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 27.7 | 14.0 | 7.4 |
アデトクンボは依然として圧倒的な存在感を誇っており、バックスの成績も悪くないようです。
チームが優勝候補の一角としてシーズンを終えることができれば、彼がMVPを受賞する見込みは十分にあるでしょう。
今のアデトクンボは、さしずめ2000年代後半のレブロン・ジェームズのように支配的であるため、この調子を維持することができれば、毎年のようにMVPを受賞できるかもしれません。
レブロン・ジェームズ or アンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)
スタッツ(レブロン・ジェームズ) | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 25.5 | 8.0 | 11.2 |
スタッツ(アンソニー・デイビス) | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 28.5 | 11.5 | 2.7 |
当然MVPを受賞するためには、自分がチームで最も価値のある選手であることに自信を持っていなければなりません。
そういった意味では、ジェームズとデイビスがMVPを受賞するのは困難なようにも思えますが、レイカーズは数週間前と比べて、明らかに勝てるチームとなりました。
そして、互いが互いの良さを潰すのではなく、補完し合っているため、どちらか一方が目を見張るような成績を残すような場合は、もう一方が手助けをすることで、彼らにもMVPを獲得する機会は出てくるでしょう。
カワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)
スタッツ | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 29.3 | 7.3 | 5.7 |
レナードが世界で最も才能があり、効率的な選手の一人であることは、クリッパーズでも証明できています。
チームメイトのポール・ジョージの復帰が遅れれば遅れるほど、レナードのMVPの評価は高まっていくかもしれません。
デイビスやジェームズはコートを共有しており、ジョージがまだ居ないため、そういった点でレナードは優位性を持っています。
ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・76ers)
スタッツ | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 23.3 | 10.3 | 3.3 |
76ersはリーグ最高のチームの一つで、エンビードはリーグ最高の選手の一人です。
同時にエンビードはリーグのマスコット的な存在で、彼は様々な選手と厄介事を引き起こしますが、本気で嫌っている人はいません。
最高の選手の一人であるということを除けば、少し前のロン・アーテスト(後のメッタ・ワールド・ピース)に似ているようです。
76ersが良い成績を残しつつ、エンビードがコンディションを維持して70試合以上に出場できれば、MVPが彼に譲られる可能性は十分にあります。
浮上してきた候補者
デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)
スタッツ | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 26.1 | 3.6 | 5.0 |
ブッカーが素晴らしい選手であることは知られていますが、これまでは悲惨なチーム成績によって議論の対象にさえなりませんでした。
今、驚くべきことにサンズはウェスタン・カンファレンスで2位に着けています。
これが偶然でないことを祈り続けましょう。
ジミー・バトラー(マイアミ・ヒート)
スタッツ | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 14.7 | 7.0 | 7.3 |
開幕には少し出遅れたものの、3試合でのバトラーの献身性は評価されるべきでしょう。
チームがシーズン50勝以上を挙げ、バックスや76ersと競り合い、バトラーが得点とアシストでチームを引っ張り、いくらかの特徴的なパフォーマンスを魅せ、アデトクンボやエンビードに並び、ウェストで明確な候補者が居なければ、彼がMVPを受賞することはおかしな話ではありません。
カール・アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
スタッツ | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 27.3 | 11.5 | 4.0 |
今のミネソタ・ティンバーウルブズが勝てている最大の理由は、タウンズが立派であるためと言っても過言ではありません。
タウンズはデイビスに似ており、チームが失敗に直面している中でも非常に高く評価された若い選手です。
問題は、彼の居場所がウルブズで正しいかどうかです。
周囲の選手がタウンズを支え、ウルブズが好調を維持できなければ、タウンズのMVPの可能性も消え去ることとなるでしょう。
ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)
スタッツ | 得点 | リバウンド | アシスト |
現地11月4日終了時点の成績 | 26.7 | 10.3 | 9.5 |
ドンチッチは将来のMVPと言い続けることになるでしょう。
そして、早くもその機会は来年にあります。
今のマーベリックスが好調であることに対し、クリスタプス・ポルジンギスや、よく準備されたチームメイトも称賛されるべきことなのかもしれませんが、やはりその大部分で話題に挙げられるのは、人々からも愛されているドンチッチです。(もちろんそれに見合った成績を残しています)
そしてメディアは、次世代のスーパースターの初期段階を好むため、彼に票が集まるかもしれません。