ペイント内でのプレイに徹する、いわゆる伝統的なセンターと呼ばれる部類は、現代のNBAではもはや過去の遺産として認識されるようになっています。
ウィルト・チェンバレンやカリーム・アブドゥル・ジャバー、シャキール・オニールを彷彿させるような、ペイント内のプレイだけで試合を支配できるようなセンターが、このリーグであと何人残っているのでしょうか?
デトロイト・ピストンズのアンドレ・ドラモンドは、そういったタイプで生き残ってきた数少ない選手の一人です。
今シーズンのドラモンドは、ここまでの10試合で平均21.2得点、18.0リバウンドと、キャリア最高と呼べる活躍を残しています。
また、3試合連続で20得点、20リバウンドという圧倒的なパフォーマンスも魅せつけました。
これらは、単に数字に限った話ではありません。
ドラモンドはプレイヤーオプションを破棄すれば、来年の夏にフリーエージェントとなることができます。
先を見据えた上で、リーグ最高のセンターとしての地位を確立させようという姿勢とも、見て取ることができるでしょう。
ドラモンドはプレイスタイルは違えど、ジョエル・エンビードやルディ・ゴベア、ニコラ・ヨキッチといった、より多才なセンターたちとも対等な勝負を繰り広げてきました。
ドラモンドがどれだけ優れたセンターであるかは、先月にブルックリン・ネッツのケビン・デュラントも、「Knuckleheads」のポッドキャストの中で語っています。
「支配的なアンドレ・ドラモンドは好きだよ。彼はそれができるスキルを持っていて、特別なんだ。彼がその気になれば、(平均20リバウンドも)記録できると思う。彼の強さは、対戦してみないと分からない。彼は試合で最も強力な選手の一人なんだ」
『The Detroit News』のロッド・ビアード氏によれば、ドラモンドは自分自身がリーグで最高のリバウンダーであることを信じていると語りました。
「リバウンドに関しては、間違いなく自分が最高だと思う。(リバウンドで)僕に近い選手はいないと思うよ。NBAで愛され、高く評価されているケビン・デュラントが、僕の取り組みを評価してくれるのは素晴らしいことだね」
また、ドラモンドはキャリアを通じてチームの大きな成功を経験していないことで、NBA最高のセンタープレイヤーの一人として評価されていませんが、彼は自身について良い価値観を持っています。
「正直言って、そんなことは気にしていない。それは他人の意見だからね。チームメイトやスタッフが仕事をやり遂げていると感じている限り、メディアや他人が何を言おうと関係無いんだ」
ドラモンドは来シーズンにフリーエージェントとなることを否定しておらず、これがピストンズとの最後のシーズンになる可能性は、大いに考えられるでしょう。
わずか10試合とはいえ、最高の活躍を魅せているドラモンドは、こう語りました。
「誰もが”契約最終年だから”って言うけど、僕はそうやって呼ぶつもりはないよ。これが僕の成熟した一面であって、コートの内外でどうやって自分自身を維持するかということさ。過去7年間を費やした成果を、ここで見ることができるんだ」
「フロントオフィスが何をしようとしているかを、コントロールすることはできない。今、僕にコントロールできることは、正しいプレイでチームを勝利に導くことだ。その後に何が起ころうとね。もちろん、デトロイトでのプレイは楽しむよ。最終的に何が起きても、その時が来れば、僕たちはそれを理解することになるだろう」