NBA史上最もトレードが行われていないシーズンにも、ようやく発砲音が鳴り響くかもしれません。
『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー氏によれば、クリーブランド・キャバリアーズはケビン・ラブがトレードを要求した場合、それを受け入れる意思を示しました。
キャバリアーズの再建が現在進行系で動いていること、そしてラブの契約が今シーズンを除いても3年間残っていることを考えれば、キャバリアーズの動きは理にかなっていると言えるでしょう。
しかし、ラブのトレード先を見つけることは、決して簡単ではありません。
彼は怪我の少なくない31歳で、正確には1億2,000万ドル以上の契約を抱えています。
それでも、今シーズンここまで平均16.1得点、10.5リバウンド、フィールドゴール成功率44.0%、3ポイントシュート成功率37.1%、フリースロー成功率88.2%という数字は、特に競争力のあるチームにとって大きな戦力となるはずです。
ここでは、競争力あるチームで競うべきラブの、最も考えられる”4つのトレード先”を見ていきましょう。
目次
ユタ・ジャズ
考察
ジャズの出足が鈍いことは、クイン・スナイダー・ヘッドコーチの指揮下では決して珍しいことではありません。
過去数年間で、ジャズはまずまずのスタートを切った後、持続的に勝利を積み重ねることによって、ウェスタン・カンファレンスでトップ4の地位を確立してきました。
2019-20シーズンのジャズはここまで13勝10敗、ネット・レーティング(100ポゼッションあたりの得失点差)はリーグ13位の0.7ポイントと、まずまずのスタートです。
しかし、オフシーズンにマイク・コンリーや、ボーヤン・ボグダノビッチを獲得していたことを考えると、もう少し良いスタートを期待できたことでしょう。
彼らのロスターでアップグレードできるポジションがあるとすれば、それはパワーフォワードとなります。
スナイダーHCは、主要な選択肢としてロイス・オニールや、ジェフ・グリーンを選び、彼らは23試合の合計で平均14.5得点、7.5リバウンドに貢献してきました。
ラブの生産性は、彼らを大きく上回ることが期待できるでしょう。
さらにバスケットボールにおけるフィットという点においては、ラブのディフェンス面に欠点があっても、ジャズの守護神であるルディ・ゴベアがそれを覆い隠すことができます。
トレード
ジャズとキャバリアーズの間でトレードのサラリーを合わせるのは難しく、特に今シーズンに苦闘しているジョー・イングルズはオフシーズンまでトレードされる資格を持っていません。
ジャズはボグダノビッチやダンテ・エクサム、エド・デイビスといった他の中核の戦力を含めることによって、トレードを成立させる必要があるでしょう。
ジャズはトップ10を保護した1巡目指名権を加えることによって、キャバリアーズの興味をより引くことができる可能性もあります。
ブルックリン・ネッツ
考察
ブルックリン・ネッツもまた、強力なパワーフォワードを必要とするチームの一つであり、ラブの獲得は理にかなっています。
ケビンデュラントが復帰しない限り、今シーズンのネッツが優勝争いを繰り広げる可能性はおそらくありませんが、それでもラブが加入すれば、プレイオフの中で競えるほどの戦力は期待できるでしょう。
アービングとデュラントが復帰し、デュラントがレブロン・ジェームズのような役を務めることによって、ネッツは2015-16シーズンに優勝したキャバリアーズに擬似的なものを作ることができるかもしれません。
ラブは必要な時に得点を挙げられるだけでなく、3ポイントシュートの脅威としてスペースを生み出すことによって、センターのジャレッド・アレンのような「リム・ダイバー」に適合するはずです。
ラブとアレンのフロントコートはリバウンドを完全に支配し、リバウンドから得られるセカンドチャンスが、特にプレイオフのような大きな試合で、大きな価値を生み出すことになるでしょう。
トレード
ラブのサラリーが巨額であるため、こちらもサラリーを合わせるのは難しいことです。
それでもキャバリアーズをその気にさせるとすれば、ディアンドレ・ジョーダン、ジョー・ハリス、トーリアン・プリンスといった選手を放出する必要があるでしょう。
フェニックス・サンズ
考察
サンズは今シーズン、デビン・ブッカーとようやく初めてプレイオフに出場できるチャンスがあります。
パワーフォワードの強化としてラブを獲得することは、そのチャンスをより高めることに繋がるでしょう。
現在の先発パワーフォワードであるダリオ・サリッチは、ここまで平均10.9得点、7.2リバウンドと堅実な仕事をしていますが、彼がセカンドユニットの一員として起用されれば、相手にとってはいっそうの脅威となるはずです。
ラブであれば、サンズの他の先発選手をさらに活かすこともできます。
彼のスクリーンセットや、ピック&ポップの技術は、ブッカーと素晴らしく調和し、彼のスペーシングはディアンドレ・エイトンがより簡単に得点することを助けられるでしょう。
リッキー・ルビオ、ブッカー、ケリー・ウーブレ、ラブ、エイトンは、若い才能と経験豊富なベテランを堅実に融合させた、魅力的なスターティングラインナップを形成することになります。
トレード
タイラー・ジョンソンの莫大な契約(1,930万ドル)は今シーズン限りで終わるため、サンズがこれを利用しない手はありません。
彼のおかげで、サンズは他のチームよりも容易にトレードを考えることができるでしょう。
あとはラブの獲得に見合うだけの、500万ドルの選手とドラフト指名権を埋め合わせることによって、サンズのプレイオフ進出にいっそうの希望が持てます。
ボストン・セルティックス
考察
この数年間、セルティックスはラブに関心を抱いているチームの一つとして噂されてきたため、獲得に動く可能性も考えられます。
運動能力高いウィングの選手が多く、ボールをよく動かし、オールスターのポイントガードを擁するセルティックスにとって、少し足りないものがあるとすればフロントコートでしょう。
ラブはダニエル・テイズやエネス・カンター、ロバート・ウィリアムズに代わって確実なアップグレードをもたらすことができ、ジェイレン・ブラウンやマーカス・スマートといった強力なストッパーのおかげで、ラブはリムプロテクターとしての役割を担う必要がありません。
あるいはラブをパワーフォワードに、熟達したリムプロテクターのテイズをセンターに起用し、周囲をケンバ・ウォーカー、ジェイソン・テイタム、ブラウンと固めることもできます。
トレード
当然ながら、セルティックスはゴードン・ヘイワードを含めなければなりませんが、この時点でヘイワードはラブのサラリーを上回ってしまっています(ラブが2,890万ドルに対し、ヘイワードは3,270万ドル)。
ヘイワードが不在の状態でも、セルティックスは9勝4敗と好調を維持しており、ブラウンとテイタムが良いプレイを続けていることを考えると、ゼネラルマネージャーのダニー・エインジ氏は前進し、不安なポジションの穴埋めに取り掛かった方が得策かもしれません。
問題はどのようにキャバリアーズを満足させるかですが、もしセルティックスがラブを獲得できた場合、彼らが今シーズンのイースタン・カンファレンスの頂点に立つことは、より期待できるでしょう。
【投票】
- フェニックス・サンズ 31%, 181 票181 票 31%181 票 - 31%
- 上記以外のチーム 25%, 149 票149 票 25%149 票 - 25%
- トレードされない 21%, 123 票123 票 21%123 票 - 21%
- ボストン・セルティックス 14%, 84 票84 票 14%84 票 - 14%
- ユタ・ジャズ 5%, 29 票29 票 5%29 票 - 5%
- ブルックリン・ネッツ 4%, 26 票26 票 4%26 票 - 4%