さて、2月16日(日本時間17日)に開催されるオールスターゲームに出場する選手を決める時期が、今年もやって来ました。
オールスター投票はファンも参加することができ、投票は12月25日より開始されます。
NBAのオールスター投票は、ファンが50%、メディアと選手がそれぞれ25%の影響を与えるようになっているため、必ずしもファン投票で1位を取った選手がオールスターの先発に選ばれるとも限りません(先発選手になるには、票の総数がガードでは2位以内、フォワードでは3位以内に入る必要があります)。
例えば昨シーズン、ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチはファン投票で2位を獲得しましたが、メディアと選手の投票が少なかったため、オールスターに選出されることすらありませんでした。
それでも、オールスター出場が確実的な選手や、可能性が高い選手、当落線上にある選手は何人か居るはずです。
ということで、ここでは2020年のオールスターゲームに出場する可能性のあるウェスタン・カンファレンスの選手を、それぞれ見ていきましょう。(スタッツは日本時間12月23日終了時点)
[kanren postid="16733"]出場が確実的な選手(バックコート部門)
ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)
得点 | リバウンド | アシスト |
38.8 | 5.8 | 7.5 |
ハーデンは1試合あたり平均40得点近くを記録しているだけでなく、『Synergy Sports Technology』によれば1ポゼッションあたり平均1.103得点と、リーグで非常に効率的な選手でもあります。
また、ロケッツは20勝9敗でウェスト3位という好成績を残していますが、チームの負傷状況やロスター構成を考慮すれば、これは明らかに素晴らしいものだと言えるでしょう。
ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)
得点 | リバウンド | アシスト |
29.3 | 9.6 | 8.9 |
昨シーズン、ドンチッチはファン投票で2位に輝いたにも関わらず、オールスター出場には不十分でした。
今年は、そのような懸念など120%必要ないでしょう。
足首の怪我により数試合を欠場していますが、彼の驚くべき成績と、マーベリックスの驚くべき成功を考えれば、たとえ彼があと数試合を欠場しても何ら問題はありません。
昨シーズンはフロントコート部門として投票されていましたが、今年はバックコート部門になると思われます。
どちらにしても関係ないですが…
デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
得点 | リバウンド | アシスト |
26.9 | 4.2 | 7.5 |
今シーズンのブレイザーズは序盤につまずきましたが、リラード個人はそうではありません。
1試合で平均36分と比較的長い時間に出場しながら、平均アシスト数はキャリア最高を記録しており、オフェンス面で非常に生産性の高いプレイを維持しています。
2月に自身5度目のオールスターに出場するのは間違いないでしょう。
出場が確実的な選手(フロントコート部門)
レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)
得点 | リバウンド | アシスト |
25.8 | 7.5 | 10.6 |
キャリア17年目を迎えた34歳(まもなく35歳)のジェームズが衰えているかどうか――その議論は、今シーズンのかなり早い段階で消えることとなりました。
正当なMVP候補であり、アシストではリーグトップに立っているジェームズは、おそらくウェストで最も票を集める選手となるでしょう。
カワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)
得点 | リバウンド | アシスト |
25.5 | 7.8 | 5.1 |
負荷管理に対する考え方がどうであれ、レナードがオールスター出場に値する選手であることに疑いの余地はありません。
特筆すべきはプレイメイキングで、レナードは8年のキャリアで平均3.5アシストを記録したシーズンは一度もありませんでしたが、今シーズンは平均5.1アシストまで向上しています。
加えて、ウェストのベストチームの一つの中で平均25得点以上記録していることも、十分な評価に値するでしょう。
アンソニー・デイビス(ニューオリンズ・ペリカンズ)
得点 | リバウンド | アシスト |
27.9 | 9.4 | 3.3 |
デイビスは比較的健康を保っており、ニューオリンズ・ペリカンズでかなりの試合を欠場した後、レイカーズで彼がどれだけ優れた選手であるかを再び証明しました。
彼はどの選手よりも多才で、平均27.9得点を記録している一方、ブロックでも平均2.7本と、攻守においてリーグトップクラスの活躍を見せています。
ポール・ジョージ(ロサンゼルス・クリッパーズ)
得点 | リバウンド | アシスト |
24.2 | 5.8 | 3.7 |
唯一の問題があるとすれば、ジョージが選手やコーチから票を獲得するために、十分な試合に出られるかどうかでしょう。
わずか30分ほどの出場で平均10本近い3ポイントシュートを放ち、それを40%以上の確率で成功させているなど、彼は新しい環境でも素晴らしいパフォーマンスを続けています。
あとは出場時間を積み重ね、パフォーマンスを維持することによって、ジョージのオールスター出場は確定されることとなります。
カール・アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
得点 | リバウンド | アシスト |
26.5 | 11.7 | 4.4 |
最近のウルブズの成績の低下はさておき、タウンズはセンターというポジションにも関わらず、驚異的な生産性を誇る選手です。
今シーズン、タウンズは1試合あたりの3ポイントシュート試投数を昨シーズンから倍近く増やしており、それであって成功率は41.8%を記録しています。
ディフェンス面にはまだ課題が残っているものの、彼も確実にオールスター出場を果たせると考えてよいでしょう。
出場の可能性が高い選手
ドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ)
得点 | リバウンド | アシスト |
25.2 | 4.7 | 3.9 |
ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーと、クレイ・トンプソンの負傷によって、ウェストのバックコート部門はいくつかの穴ができましたが、おそらくミッチェルがそのうちの一つを埋めることになるでしょう。
堅実なチームの中でフィールドゴール成功率をキャリア最高の45.4%に改善しつつ、平均得点でもキャリア最高の25.2得点を記録しています。
デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)
得点 | リバウンド | アシスト |
24.5 | 4.0 | 6.4 |
サンズは印象的なスタートから徐々に成績を落として行きましたが、ブッカーがキャリア初のオールスターに出場できるほどには良くなっています。
平均得点は昨シーズンより2ポイントほど落ちているものの、モンティ・ウィリアムズ・ヘッドコーチのシステムと、新たな数人のチームメイトのおかげで、彼の効率性はかなり向上しました。
特筆すべきは、50-40-90に極めて近いということでしょう(現在はフィールドゴール成功率50.3%、3ポイントシュート成功率39.1%、フリースロー成功率90.5%)。
ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)
得点 | リバウンド | アシスト |
17.3 | 10.0 | 6.8 |
確かにヨキッチのスタッツは昨シーズンよりも下がっていますが、シーズン序盤の不調も最近ではかなり改善されているため、ここから数週間でその軌跡を辿れるかどうかが重要になってくるでしょう。
彼はリーグで最もユニークな選手の一人であると同時に、ウェストで最も優れたチームの一つを引っ張る大黒柱でもあります。
出場が当落線上にある選手
ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)
得点 | リバウンド | アシスト |
14.9 | 14.1 | 1.6 |
ジャズの成績がもう少し良ければ、おそらくゴベアはオールスター出場の可能性がもっと高いと言えるでしょう。
しかし、昨シーズンにオールスター出場を逃して公で怒りをあらわにした後、彼は再び同じような立場にあります。
平均得点やブロック数が昨シーズンより下がった一方、平均リバウンドは伸びており、依然としてエリートディフェンダーの一人であることが評価されるかどうかに懸かっています。
ブランドン・イングラム(ニューオリンズ・ペリカンズ)
得点 | リバウンド | アシスト |
25.3 | 7.0 | 3.8 |
イングラムの今シーズンの成績は、オールスター出場に値するものだと考えてもおかしくはありませんが、ペリカンズの絶望的な成績が不利に働く可能性があります。
ただ、たとえイングラムはオールスター出場を逃したとしても、契約最終年でこれほどの成績を残していれば、きっと夏には良い思いを味わうことができるでしょう。
アンドリュー・ウィギンス(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
得点 | リバウンド | アシスト |
25.2 | 5.1 | 3.2 |
ウィギンスは今シーズン、長距離の2ポイントシュートを3ポイントシュートにすることによって、キャリア最高と呼べるシーズンを送っています。
しかし、彼の成績に反してウルブズの成績はあまり良くないため、選手やコーチからの票が集まらないかもしれません。
ちなみに、ウィギンスは今シーズンのクラッチタイム(第4クォーター5分以内かつ5点差以内の状況)に非常に強い選手の一人で、平均3.8得点、フィールドゴール成功率56.0%、3ポイントシュート成功率44.4%を記録しています。
ラッセル・ウェストブルック(ヒューストン・ロケッツ)
得点 | リバウンド | アシスト |
23.8 | 8.0 | 7.2 |
ラッセル・ウェストブルックの居ないオールスターというのは違和感を覚えますが、今シーズンのウェストの層の厚さを考えると、決してあり得ないことではありません。
チームメイトのハーデンがオフェンスを統率しているため、ウェストブルックの平均アシストは昨シーズンより3本以上減少しました。
また、3ポイントシュート成功率はキャリア最低の23.7%を記録しているため、パフォーマンスの観点で言えば落選の可能性も考えられるでしょう。
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