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徹底的に管理されたデリック・ローズの出場時間

デトロイト・ピストンズのドウェイン・ケイシー・ヘッドコーチは、常にデリック・ローズの出場時間に気を配っています。

どの試合においても、ローズの出場時間は各クォーターで6~7分間しかありません。

その理由を尋ねられれば、その答えは必然的にこうなるでしょう――それが契約だから、と。



これはケイシーHCも、メディカルスタッフも、代理人も、そしてローズ自身も理解してのことです。

『The Detroit News』のロッド・ビアード氏によれば、ケイシーHCは火曜日に、ローズの健康面での計画について言及しました。

「今年の夏、医療関係者や彼の代理人などの全員を含めた会議を開き、デリックを支える計画を立てた。80試合で(平均)40分間に出場できればいいが、それはできない。(可能かどうかは)医療関係者次第で、それが計画なのだ」

31歳を迎えたローズのキャリアを最大限に生かすためにも、彼の1試合の出場時間は約26~27分間と決められています。

ケイシーHCはその時間だけしかローズを起用できないことを残念に思っていますが、彼の出場時間は徹底的に管理されているため、これまで27分間の出場時間を超えたことは4回あるものの、それでも最長は28分33秒でした。

ローズは自身の出場時間が制限されていることに理解を示しつつも、もっと多くの時間に出場できると語っています。

「出場時間は僕が自由に決められることではない。それを考えるのはコーチや(トレーニング)スタッフだ。もちろん僕はコートに出ていたいけど、彼らは僕が見ていないものを見て心配している。ただ用心深くなっているだけさ」

用心深くなるのは、無理もないことでしょう。

昨シーズン、ローズはミネソタ・ティンバーウルブズで51試合にしか出場できませんでした。

しかし、今シーズンも既に6試合に欠場(ハムストリングの問題と数日間の休息)しているとはいえ、シーズンの大半は健康な状態を維持しています。



何より、ローズへのこれほどまでに徹底的な出場時間の管理は、ピストンズ自体の首を絞めているとも言えるかもしれません。

例えば、12月30日(日本時間31日)のユタ・ジャズ戦で敗れた時、ローズは26分間の出場でチーム最多の20得点を記録しました。

しかし、どれだけローズが勢いに乗っていたとしても、ケイシーHCは出場時間を大きく伸ばすことは決して無いため、ローズはホットな状態でもベンチに座らざるを得ないのです。

通常、ローズは各クォーター最後の6~7分に出場するため、試合終盤を含む重要な場面で彼を起用することを可能としていますが、今シーズンのピストンズの最大の問題の一つは、ローズがベンチに座っている第3クォーターの開始にあります。

それでもケイシーHCは、ローズの出場時間を伸ばすことを頑なに拒みました。

「これは約束しよう。私は彼にもっとプレイさせたいし、デリックもプレイしたがっているが、彼は肉体的にできないんだ。彼を出場させなければいけない状況に置きたくないから、我々は工夫しなければならない」

ファンは、なぜローズを先発起用しないのか…と嘆くかもしれませんが、これは意図的なものであるということです。

仮にケイシーHCがローズを先発起用し、第1クォーターと第2クォーターの最初の6分間に起用したとしても、第3クォーターと第4クォーターは最後の6分間に彼を起用するように切り替えるでしょう。

つまり現状のローテーションこそ、ケイシーHCを始めとしたスタッフが考え出せる限りの、ローズを最大限に活かせる計画なのです。

ローズのパフォーマンスは十分なものですが、彼に弱点があるとすればそれは出場時間です。

さしずめ、日本の「ウルトラマン」に近いものがあるでしょう。

決められた時間の中でチームのために尽くす――それが、ローズがデトロイトで課された使命なのかもしれません。

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