2013年、ロサンゼルス・クリッパーズはJJ・レディックと契約を結びましたが、それは決して簡単なものではありませんでした。
なぜなら、当時のクリッパーズのオーナーは、人種差別の問題からNBA史上最悪の人物の一人として知られるドナルド・スターリングだったからです。
月曜日、『TNT』に出演したクリッパーズのドック・リバース・ヘッドコーチは、スターリングが白人選手を嫌っていたためにレディックとの契約が破談になりかけた出来事を明かしました。
「JJは考えを変え、ミネソタ(ティンバーウルブズ)と契約するつもりだったんだと思う。私はJJを説得したよ。”クリス・ポールやDJ(ディアンドレ・ジョーダン)、ブレイク(グリフィン)と一緒に来てくれ。きっと上手くいくさ”ってね。JJは合意してくれたよ。だが飛行機に乗ってオーランドに戻ると、(当時のクリッパーズ球団社長の)アンディ・ローザーから電話がかかってきた。彼は”契約はナシだ”と言う。私が”どういう意味だ?”と聞くと、彼は”ドナルドは白人選手を嫌っている”と返したんだ。私は”何を言っているんだ?”と聞くと、”ドナルド・スターリングが(契約は)ダメだと言っている”と返されたんだ。私は”もう契約してしまったぞ!”と言ったよ」
その後、リバースHCは自らスターリングに電話をかけて説得を試み、考えを変えないのであればヘッドコーチを辞任すると言って電話を切りました。
そしてスターリングはリバースHCの考えに折れ、レディックとの契約は成立となりました。
リバースHCはその時点でクリッパーズの指揮官に就任してわずか数週間しか経っていませんでしたが、最終的にチームに残り、今でもチームを率いています。
レディックもクリッパーズでの4年間で相手の脅威となるシューターの地位を確立したため、素晴らしい契約を結んでいたと言えるでしょう。
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一方でスターリングは、2014年に人種差別発言の録音が公開されたことをきっかけにNBAを永久追放され、クリッパーズは新たにスティーブ・バルマーが買収することになりました。
スターリングはそれ以前からも人種差別主義者として問題を起こす人物であり、白人選手を嫌う彼の存在は、時に一流の選手との契約を妨げることにも繋がっていました。