ロサンゼルス・クリッパーズのポール・ジョージは、ダラス・マーベリックスとのプレイオフ第1回戦の第2戦でフィールドゴール17本中4本成功の14得点に終わった後、第3戦でもフィールドゴール16本中3本成功の11得点と、ショットの不振に苦しんでいます。
それでも敗れた第2戦と比較して、勝利した第3戦のジョージが大きく異なった部分は、得点以外の部分――9リバウンド、7アシスト、2スティールでチームに貢献したところでした。
そして試合後、ジョージはショットが入らなくてもチームに影響を与えられたことについて、「僕はジェームズ・ハーデンではない」と語りました。
「ショットを打つだけで得点を稼ぐのは、僕の得意分野ではないんだ。僕は攻守で効果的であることを自負している。ショットが決まらない夜があっても、それが試合に影響を及ぼすことは許されない。まだまだ積極的にプレイし、勝つために全力を尽くす必要がある。ショットを決めなくても、インパクトを与えられる方法を見つけないと」
Paul George - “Like I said, I’m no James Harden, that’s not my knack, to just shoot the ball and score the ball. I can, and I pride myself on being effective on both ends, but it’s gonna be nights like this where I can’t make shots and I can’t allow that to affect my game.” pic.twitter.com/AzRo673w7k
— Tomer Azarly (@TomerAzarly) August 22, 2020
ポール・ジョージがわざわざヒューストン・ロケッツのジェームズ・ハーデンの名前を挙げているのは、やはり興味深いことだと言えるでしょう。
ただ、彼のコメントは間違っていません。
ジョージはハーデンが毎晩行っているような大量得点を挙げることもなければ、それが要求されることもない一方で、ハイレベルなディフェンス、リバウンド、時にはプレイメイキングを求められることがあるためです。
また、ジョージのコメントは決してハーデンを貶めているわけでもないでしょう。
ジョージはこの2試合のオープンショット(ディフェンダーが4~6フィート離れている時のショット)のフィールドゴールで14本中3本成功、ワイドオープンショット(ディフェンダーが6フィート以上離れている時のショット)に至ってはフィールドゴール7本全てを失敗と、悲惨な数字を記録しているためです。
ジョージはショットの問題を改善しつつ、他の部分でも影響を与えられるように積極的にプレイしていくと語りました。
「間違いなく得点には苦労しているけど、それは仕方がない。ショットを外しても勝利できたのだから、今後も積極的にプレイしていきたいね」
「スコアリングが僕の仕事ではない。僕はあらゆる仕事をこなそうとしている。正しいやり方でプレイし、パスも出すし、ディフェンスやリバウンドもやる。全ての仕事を少しだけね。苦しいけれど、シリーズは2勝1敗でリードできている」
チームメイトや指揮官は、ジョージが復調できると信じています。
第3戦で36得点、9リバウンド、8アシストを記録したカワイ・レナードは「第4戦もゼロからのスタート」と語りました。
「2~3試合で3ポイントシュートを100%決めても、今後も良いシュートが打てるというわけではない。全てがゼロに戻り、これはプレイオフのバスケだ。彼は自信に満ちた選手だから、立ち直ってくれるはずさ」
ドック・リバースHC(ヘッドコーチ)は「心配していない」と語ります。
「彼は素晴らしい選手だ。私が保証する。シュートを忘れたのではない。彼のために決まってくれるさ」
ジョージが得点面で苦戦している中でも勝てたのは、クリッパーズにとって良い兆候だと言えるでしょう。
もちろん、最終的にジョージは自身のショットの感覚を取り戻す必要がありますが、チームは彼の不振を楽観視しています。
つまり、8月23日(日本時間24日)の第4戦でジョージのショットが輝きを取り戻し、クリッパーズがシリーズ突破に王手をかけることに期待できるのかもしれません。