考察

ラプターズ対セルティックスのカンファレンス準決勝における3つの注目ポイント

プレイオフ1回戦では、第2シードのトロント・ラプターズが第7シードのブルックリン・ネッツを、第3シードのボストン・セルティックスが第6シードのフィラデルフィア・76ersを――どちらも4連勝で下すという最高のスタートを切りました。

しかし、カンファレンス準決勝でラプターズとセルティックスは対戦することになるため、順調に見える両チームのどちらか一方はこのシリーズで敗退することが決まります。

プレイオフはボイコットの議論のために一時的に中断され、彼らの第1戦は延期となってしまいましたが、無事に8月29日(日本時間30日)より再開されることが発表されました。

そのため、ここではラプターズ対セルティックスのカンファレンス準決勝における3つの注目ポイントを見ていくことにしましょう。



1. ラプターズは好調のジェイソン・テイタムを止められるか

シーディングゲームズでは適応に時間がかかったセルティックスのジェイソン・テイタムでしたが、76ersとのプレイオフ1回戦での彼のパフォーマンスは申し分ないもので、4試合で平均27.0得点、9.8リバウンド、3ポイントシュート成功率45.2%を記録しました。

76ersはリーグ屈指のディフェンダーであるベン・シモンズが怪我で不在だったことを考えると、レギュラーシーズンでも76ersより優れたディフェンス力を誇り、ロスター全体が健康なラプターズは、テイタムの好調を止められる可能性が十分にあります。

加えて、今季のラプターズとセルティックスは4度対戦していますが、テイタムはそのうち3試合で20得点以下に抑えられていました。

クリスマスゲームでは、ラプターズがテイタムに対して様々なディフェンダーをマッチアップさせて苦戦させたため、テイタムはわずか11得点に終わっています。

セルティックスは、ラプターズのカイル・ラウリーやフレッド・ヴァンブリートといった小柄な選手とのミスマッチを狙っているかもしれません。

ラウリーは経験豊富かつオールラウンドで厄介なディフェンダーですが、テイタムはラウリーをそれほど苦にしておらず、ラウリーがマッチアップした際のテイタムのフィールド成功率は63.6%と高い数字を記録しています。

ラプターズにとっては、プレイオフでもテイタムに同様の精度でショットを決められるのは望ましくないため、彼らのマッチアップの駆け引きは一つの見どころとなるでしょう。

2. セルティックスはラプターズの速攻をどのように阻止するか

速攻は、セルティックスが最も警戒しなければならないプレイの一つです。

レギュラーシーズンのラプターズは速攻からの得点でリーグ1位(平均18.8得点)を記録しており、プレイオフでも現時点ではリーグ1位(18.5得点)となっています。

個人としてはパスカル・シアカムがリーグ7位(平均5.5得点)を記録していますが、脅威となるのは彼だけではありません。

ラプターズはリバウンドやスティールでボールを奪うと、即座に攻撃に切り替え、得点するためのオプションを複数備えています。

彼らは得点するための最適なポジションや相手の位置を把握しているため、少しでも気を抜けば一瞬で懐を抉られるのは容易に想像できるでしょう。

しかし忘れてはならないのは、今季のセルティックスは速攻からの失点でリーグ1位(平均4.8得点)を記録しているということです。

そのため、速攻の場面(特にラプターズがオフェンス、セルティックスがディフェンスの場面)での両チームの攻防は、非常に見応えのあるものとなることが期待できます。



3. 両指揮官の調整力

ラプターズのニック・ナースHC(ヘッドコーチ)は今年の最優秀HCに選出されましたが、セルティックスのブラッド・スティーブンスHCも一貫して勝利を挙げることができ、素晴らしいバスケットボール精神の持ち主として称賛される指揮官です。

したがって、このシリーズは素晴らしい才能を持った選手たち同士の戦いに限らず、リーグ屈指の指揮官同士の戦いでもあります。

ナースHCは、オフボールからディフェンダーの注意を逸らし、容易に得点へ結びつけることに長けています。

セルティックスがディフェンスで上手く連携を取れなければ、レギュラーシーズンでリーグ5位の成功率を記録したラプターズの3ポイントシュートで失点を重ねてしまう可能性もあるでしょう。

一方で、セルティックスはラプターズ以上にロスターの層が厚く、ゴードン・ヘイワードが怪我で不在の状態でも得点を挙げられる選手が何人も居ます。

セルティックスはラプターズのサイズの大きさを逆に利用し、マルク・ガソルやサージ・イバカをペリメーターまで引き出そうと試みるかもしれません。

彼らでは、テイタムやケンバ・ウォーカー、ジェイレン・ブラウンらとマッチアップするには分が悪すぎます。

両チームは、このシリーズで互いの弱点を引き出すことを狙ってくるでしょう。

それに対して両指揮官はどのように調整するのか――互いに優れた指揮官だからこそ、この部分も注目したいところです。

【投票】

シリーズを制すのはどっち?
  • トロント・ラプターズ 52%, 46
    46 52%
    46 票 - 52%
  • ボストン・セルティックス 48%, 43
    43 48%
    43 票 - 48%
全体の票数: 89票
2020-08-29 3:28 - 2020-08-30 0:00
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