2018年にバスケットボール殿堂入りを果たした元NBAスターであるスティーブ・ナッシュが、4年契約でブルックリン・ネッツのヘッドコーチに就任したことを、チームが声明で発表しました。
同時に、オーランドでのバブルで暫定ヘッドコーチとしてチームを率いていたジャック・ヴォーンは、新たにネッツのアシスタントコーチを務めることが発表されており、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によれば、ヴォーンはリーグのアシスタントコーチの中でも最高額の契約を結んだようです。
ナッシュはキャリア初のヘッドコーチ就任について、次のように述べています。
「このような一流の組織で機会を得られたことを光栄に思っている。僕の能力を信じてくれたショーン(マークスGM)、(オーナーの)ジョー(ツァイ)、妻のクララに感謝しているよ。
コーチングはいつかやりたいと思っていた仕事。ブルックリンの素晴らしい選手やスタッフと一緒に仕事ができるのは光栄なことだ。このコミュニティの影響力のあるメンバーの一員になれるだけでなく、コート上でのチームの展望にもワクワクしている」
コーチング経験こそ持たないものの、ナッシュはネッツに適応できる要因をいくつも持っていました。
ナッシュは現役時代からニューヨークに自宅を持っており、オフシーズンの間はそこで過ごしていました。
また、フェニックス・サンズ時代の2年間では、現在のネッツのゼネラルマネージャーであるショーン・マークスと一緒にプレイしていたほか、引退後もゴールデンステイト・ウォリアーズで3年間に渡ってパートタイムのアシスタントとして働いていたため、ケビン・デュラントとも関係があります。
ネッツは新たなヘッドコーチを雇用する上でいくつかの条件を考慮していたようで、スーパースター(デュラント、カイリー・アービング)の承認はそのような条件の一つだったと予想できます。
そのため、デュラントと以前から関係を持っていたナッシュがネッツの指揮官に選ばれたのは、不思議なことではありません。
ただし何度も言うように、ナッシュがNBAでヘッドコーチを務めるのはこれが初めてです。
したがって、スーパースターを中心に構築されたチームをナッシュがどのようにまとめ上げるかは、来季の大きな関心事の一つとなります。
元NBA選手がヘッドコーチを務めるというのは珍しいことですが、近年ではゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が成功を収めたという前例があります。
ナッシュがウォリアーズで働いていたという関連性も含めて、彼には期待できる要素も十分にあると言えるでしょう。
一方で、ネッツは2012年に元NBAスターのジェイソン・キッドをヘッドコーチに雇用した過去があります。
当時のキッドも、今回のナッシュと同様に競争力のあるチームを引き継ぎましたが、プレイオフでの最高成績はカンファレンス準決勝進出でした。
しかし、来季の彼らはデュラントやアービングが怪我から復帰することもあり、間違いなく優勝を目指して開幕を迎えることになるでしょう。
ネッツの首脳陣は、キッドの時とは明らかに異なる結果を求めています。