4度の優勝経験を誇るNBAレジェンドのシャキール・オニールは、ダラス・マーベリックスの若きスーパースターであるルカ・ドンチッチをとても気に入っていますが、彼だけの力でチームを優勝に導けるとは考えていないようです。
『Fort Worth Star-Telegram』によれば、最近のZoomを介したインタビューに応じたオニールは「(マーベリックスは)夏の間に、不満を持ったスーパースターを探した方がいい」と指摘しました。
「ルカが優勝を一人で成し遂げるのは絶対に不可能だ。誰であっても不可能だ。彼には一緒にプレイする誰かが必要だ」
オニールの指摘はあながち間違いではありません。現代のNBAで優勝するためには、複数のスター選手の才能が必要不可欠になっています。優勝したチームのロスター内に同年のオールスター出場を果たしていた選手が1人しかいなかったのは、2011年のマーベリックスまでさかのぼります。当時のマーベリックスのスターは、レジェンドとして名を残すダーク・ノビツキーでした。
ドンチッチを補完するスターとして期待されていたクリスタプス・ポルジンギスは、思いのほかインパクトを残せていません。彼は今季平均18.9得点、8.2リバウンド、1.7ブロックと堅実な数字を残しているように見えますが、いずれも昨季と比較すると減少しています。
結局、ドンチッチは全てを自分で解決しようとするため、簡単にトリプルダブルを達成しているように見えますが、チームの勝利にはなかなか結びつかずにいます。現在マーベリックスは8勝13敗でウェスタン・カンファレンス13位につけており、6連敗と泥沼にはまっています。大きな飛躍を見せた昨季の面影は、どこにも見当たりません。
もちろんオニールはドンチッチの才能を高く評価しています。そのためオニールは、果たすべき仕事がオーナーのマーク・キューバンにあると付け加えました。
「(ドンチッチは)素晴らしいパサーだ。彼は試合を引き立たせる選手だ。私はルカについて否定的なことは何も言わない。彼はまだ若く、成長する時間は多く残っている。さらに2人のスーパースターを加えれば、彼は間違いなく優勝を成し遂げられる。マークは何をすべきか知っているはずだ」
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ルカ・ドンチッチとマジック・ジョンソンを比較するマーベリックスのオーナー
問題はそれをどのように実現させるかということです。もしオニールがフリーエージェントを介してスーパースターを獲得すべきと指摘しているのであれば、それは最大限の皮肉でもあります。なぜなら、マーベリックスはリーグで最もフリーエージェントで成功を収められていないチームの一つであるためです。
2011年の優勝に貢献したジェイソン・キッドやジェイソン・テリー、ショーン・マリオン、タイソン・チャンドラー、そして2018年に加入したポルジンギス――いずれもトレードで獲得した選手ばかりです。マーベリックスが直近で獲得した最も話題性の高いフリーエージェントは、2016年のハリソン・バーンズでした。しかし彼はスターとして開花せず、2019年にサクラメント・キングスへトレードされています。
となれば、マーベリックスが近いうちにスーパースターを獲得する方法はトレードが最善であるように思えます。不満を抱いているスーパースターといえば、ワシントン・ウィザーズのブラッドリー・ビールが思い浮かびますが、おそらくその選択肢は考えられないでしょう。なぜなら、現時点でウィザーズにはビールを手放す意思が無いためです。仮にビールが利用可能になったとしても、ウィザーズに多くの見返りを与えなければならなかったり、ディフェンスの懸念といった問題がいくつも発生することになります。
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ブラッドリー・ビールのトレード市場における価値はどのくらい?
『HoopsHype』によれば、マーベリックスはミルウォーキー・バックスのドリュー・ホリデーの獲得に関心を持っているようですが、彼のトレードも実現は難しそうです。第一に、バックスは昨年のオフシーズンにホリデーをトレードで獲得したばかりです。第二に、バックスはここまで12勝8敗のイースタン・カンファレンス3位と好調で、ホリデーも平均16.5得点、4.9リバウンド、5.3アシスト、フィールドゴール成功率 48.3%、3ポイントシュート成功率 37.9%と堅実な活躍を見せています。多くの代償を払ってまで獲得したホリデーを、バックスが手放すとは思えないでしょう。
したがって、今のマーベリックスとドンチッチに求められるものは”忍耐”となるようです。いくらフリーエージェントに縁がないといっても、ドンチッチの類まれなる才能があれば、チームに愛想を尽かしたスーパースターがマーベリックスへの移籍を検討する可能性は十分にあります。
少なくとも、オニールはドンチッチが”忍耐”の過程にあると考えています。そして、それは若き偉大な選手の多くが経験してきたことでもあります。マイケル・ジョーダンやレブロン・ジェームズでさえ、最初の数年間は優勝を成し遂げることができませんでした。今季は思うような結果が出せていないかもしれませんが、決して悲観的になることもありません。
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大ベテランのジャマール・クロフォードでも教えることができない、ルカ・ドンチッチが持つ才能とは