ロサンゼルス・レイカーズの主力メンバーがコートに出なくなって以降、徐々に輝きを放ちつつあるのが2way契約中のアレックス・カルーソです。
3月31日(日本時間4月1日)のニューオーリンズ・ペリカンズ戦では23得点を挙げたほか、4月5日(同6日)のロサンゼルス・クリッパーズ戦では5本のスリーポイントシュート成功を含む32得点、10リバウンド、5アシストを挙げ、今季のレイカーズでレブロン・ジェームズ以外唯一の30得点、10リバウンド、5アシスト以上を記録しました。
さて、レイカーズはカルーソへ本契約を提示するべきでしょうか?
答えは「イエス」です。
25歳のカルーソは将来のレイカーズのスターターとして考えられていませんが、彼のアウトサイドシュートがどれほど素晴らしいかという観点から、リザーブとして起用するには十分な価値があるでしょう。
また、レブロンとの相性が良いことにも着目すべきです。
今季、レブロンとカルーソが同時にコートでプレイしていたのは147分間あり、このデュオはその間のネット・レーティングで+8.6を記録しました。
それは少なくとも今季のレイカーズの全てのデュオにおいて、6番目に良いネット・レーティングとなっています。
2way契約の選手がチームの大黒柱とこれほど良い相性を見せているのは、十分に評価できるのではないでしょうか。
そして先述したアウトサイドシュートの素晴らしさについても、知っておく必要があります。
カルーソは今季、コーナー以外からのスリーポイントシュート成功率で平均60.6%(33本中20本成功)と異常な高さの精度を誇っており、これは最低5本以上を試投した選手の中ではリーグトップの成功率となっているのです。
もう一つ、レイカーズのとってカルーソの存在がいかに重要であるかについて、ノーマーク時のキャッチアンドシュートというものがあります。
今季、レイカーズのノーマーク時におけるキャッチアンドシュートのPPP(1ポゼッションあたりの平均得点)は1.04であり、これはリーグ最下位の成績でした。
また、それらのシチュエーションで1試合あたり平均11.2得点を記録しており、これはフェニックス・サンズを除く全てのウェスタン・カンファレンスのチームに劣っています。
一方でカルーソのノーマーク時におけるキャッチアンドシュートのPPPは1.58を記録しており、効率の面ではレイカーズの選手の誰よりも圧倒的に優れていることも事実です。
これまでレブロンが在籍したチームはPPPが優れる傾向にありましたが、レイカーズはそれを伸ばせなかった…すなわちノーマーク時のスリーポイントシュートの成功率が悪かったことは致命的だったと言えるでしょう。(過去10年間、レブロンが在籍したチームのPPPが1.05を下回ったのは今回が初)
そういった意味でも、レイカーズにとって特にカルーソのシュート精度は欠かせないものとなるのです。
唯一の懸念材料はスタッツのサンプルが少ないことであり、試合数が増加するにつれてスタッツは下降線をたどるかもしれません。
それでも現状の素晴らしいスタッツは、少なからずレイカーズの希望となるのではないでしょうか。
そしてレイカーズがカルーソに契約を提示すべき極めつけの理由は、サラリーにあります。
もし夏にチームがカルーソに1年ミニマム契約を提示すれば100万ドル以下(89万7000ドル)のサラリー抑えることが可能で、一方で契約の上限額も160万ドルであるため、レイカーズが別のフリーエージェントを獲得する際の妨げにはならないでしょう。
加えてそれは、より多くの出場時間を求めるかもしれない別のシューターと契約するよりも、遥かに安価に契約できます。
簡単に言ってしまえば、レイカーズがカルーソと本契約するデメリットはほとんどありません。
むしろ今のシュート精度、レブロンとの相性を持続できるのであれば、カルーソは間違いなくレイカーズの貴重なリザーブメンバーとなることでしょう。