今年の夏、ウェスタン・カンファレンスには非常に多くの動きが見られました。
ゴールデンステイト・ウォリアーズ、ヒューストン・ロケッツ、ロサンゼルス・クリッパーズ、ロサンゼルス・レイカーズ、ユタ・ジャズ…
一方で、デンバー・ナゲッツはどうでしょうか?
彼らの夏の主な動きは、ジェレミ・グラントをトレードで獲得しただけでした。
それは、まだナゲッツがウェストでの地位を維持しているという意味でもあります。
しかしナゲッツはステップアップし、昨季以上に過酷になるかもしれないウェストの頂点に手が届くのでしょうか?
昨季のナゲッツは、最も素晴らしいサプライズチームの一つでした。
2017-18シーズン、レギュラーシーズンの最終戦でミネソタ・ティンバーウルブズに敗れ、5年連続でプレイオフを逃したのは記憶に新しいことでしょう。
しかし、2018-19シーズンはフランチャイズ史上4番目に多いシーズン54勝を挙げ、ウェストの2位でプレイオフに進出したのです。
その原動力となったのが、オールラウンダーなビッグマンとしてMVP級の活躍を見せるニコラ・ヨキッチと、3年目ながら急成長でインパクトを残すジャマール・マレーでした。
プレイオフでは、カンファレンス準決勝でポートランド・トレイルブレイザーズに敗れたものの、第7戦まで戦い抜いた彼らに実力があることは認められています。
ナゲッツがウェストの頂点に立つのは、時間の問題かもしれません。
ホーム戦では高地をアドバンテージに、エネルギッシュなプレイで勝利を積み重ねることができます。
グラントの加入によりフロントコートの層は厚くなり、マイケル・ポーターJr.が健康体でプレイできれば、より多くの得点が望めるでしょう。
ナゲッツがプレイオフに進めるかどうかは、既に過去の議論です。
しかしウェストでの優勝には、どれほど期待を持てばいいのか疑問が残るところです。
確かにヨキッチは歴史上でも稀な選手で、シーズン平均20得点、10リバウンド、7アシストを記録した選手は、ウィルト・チェンバレン、オスカー・ロバートソン、ラッセル・ウェストブルックしか居ません。
チェンバレンはヨキッチと同様にビッグマンでしたが、だからといってNBAファイナルに到達することは可能なのでしょうか?
なぜなら過去10年間のNBAでは、ビッグマンがチームを率いてNBAファイナルに到達したケースがほとんど無いからです。
だからこそ、マレーの存在はより重要なものになるでしょう。
彼はスコアラーとしてさらに利己的になる必要があり、アウトサイドシュートが脅威となればヨキッチへのディフェンスは緩和されます。
若き2人の選手を鍵に、ウェストの強豪を打ち倒していくのは難しい話ですが、他の選手たちに大幅な生産性の改善を求めることも無謀です。
もちろんポール・ミルサップ、ギャリー・ハリス、ウィル・バートン、トーリー・クレッグ、グラントらは、チームに貢献できる選手ですが、ヨキッチやマレーに次ぐ3人目のスター選手ではありません。
彼らを賢く活かすことで、ヨキッチとマレーを中心に、ナゲッツは成功への道を進む可能性を見いだせるでしょう。
フリーエージェントやトレードで補強した他チームと比較すれば、結束力はナゲッツにとってアドバンテージとなります。
ロケッツやレイカーズ、クリッパーズ、ジャズのように、調整する必要はありません。
しかし、結束力だけでウェストを攻略できるほど甘くないのも事実です。
特に、ヨキッチとマレーにはさらなるステップアップが求められ、リーグトップクラスのデュオとして評価される必要があります。
フランチャイズの基盤が整っているのであれば、次にすべきことは彼らの時代であること思い知らせることでしょう。