本来、今夏に制限付きフリーエージェントとなっていたディアンジェロ・ラッセルは、様々なチームへの移籍が噂されていました。
ブルックリン・ネッツとの再契約か、あるいはユタ・ジャズ、オーランド・マジック、ミネソタ・ティンバーウルブズ、インディアナ・ペイサーズ、フェニックス・サンズ、そしてロサンゼルス・レイカーズ…
最終的に契約したゴールデンステイト・ウォリアーズの名前は、どこにもありません。
だからこそ、ウォリアーズとラッセルの衝撃的な契約が明らかになった時、非常に多くの疑問が浮かび上がることとなりました。
――ラッセルはウォリアーズのオフェンスに適応できるでしょうか?
オフェンスはステフィン・カリーかドレイモンド・グリーンから開始されるため、ラッセルはオフボールの動きも徹底しなければなりません。
――ラッセルやカリーは、どのようにディフェンスするのでしょうか?
ラッセル(約195cm)とカリー(約190cm)のサイズは、ディフェンスの際に弱点となりかねません。
――クレイ・トンプソンが戻った時、尚更どのようにディフェンスするのでしょうか?
ラッセルの加入により、トンプソンはスモールフォワードの選手のディフェンスを担うことになるはずです。
トンプソンのサイズ(約200cm)もまた、スモールフォワードを効果的にディフェンスできる保証はありません。
――ウォリアーズはラッセルをトレード要員としてしか見ていないのでしょうか?
彼らはそれを否定しています。
しかし、それが必ずしも起こらないとは言い難く、ラッセルが現時点で優秀なトレード要員であるのは事実です。
[kanren postid="13935"]
――なぜ不確実性に塗れているにも関わらず、ラッセルはウォリアーズとの契約を決断したのでしょうか?
4年間で1億1,732万5,500万ドルのマックス契約が、最もラッセルを突き動かした理由かもしれません。
『The Athletic』のイーサン・ストラウス氏によれば、昨季ネッツでラッセルとチームメイトだったジャレッド・ダドリーは、ラッセルがウォリアーズと契約した理由についてこう語ります。
「ディアンジェロはマックス契約が欲しかったんだよ。だから僕は(ウォリアーズと契約したことを)驚かない。もしサウジアラビアがマックス契約を提示すれば、彼はそこに移籍するだろうね。彼のしたことには驚かないよ」
マックス契約の魅力について、多くのことを語る必要は無いでしょう。
大金が保証される――それだけです。
それ相応の実力が求められるのは確かですが、昨季のラッセルは素晴らしい活躍を見せていただけに、彼がマックス契約を求めてウォリアーズと契約したのは、驚くべきことではないのかもしれません。
意地汚く聞こえるようですが、NBAに限らずスポーツの世界で自身の価値を最も表すものは契約金です。
ラッセルは特に、レイカーズやネッツでの初期に苦労していたため、よりマックス契約に対する気持ちが強かったのでしょう。
もちろん、全てがお金に目を奪われているわけではなく、ラッセルはウォリアーズでの自身の状況を理解しており、最終的にトレードされる可能性については心配していません。
それでもマックス契約は、時に危険な橋を渡ることさえ決断させるほどの魅力があるようです。