フィラデルフィア・76ersはこの1年間で、非常に多くの変更を加えています。
最初にジミー・バトラーをトレードで獲得し、次にトバイアス・ハリスをトレードで獲得、次にバトラーをサイン&トレードで放出する代わりにジョシュ・リチャードソンを獲得し、最後にアル・ホーフォードと契約を結びました。
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ロスターを変化させるということは、ケミストリーにも変化が表れ、全てがどのように適合するのか考える必要があるため、特にディフェンス面では影響が出やすくなります。
特にシクサーズは頻繁に中核を変化させているため、その効果は顕著だと言えるでしょう。
『basketball-reference』によれば、2017-18シーズンにおける76ersのディフェンシブ・レーティング(100ポゼッションあたりの平均失点)は105.5ポイントでリーグ4位を記録しており、当時オールディフェンシブ1stチームに選出されたロバート・コビントンが、チームのディフェンスを率いていました。
しかし、バトラーのトレードでコビントンがミネソタ・ティンバーウルブズへ去った後、シクサーズは2018-19シーズンのディフェンシブ・レーティングを110.0ポイントとし、リーグ15位まで落ちたのです。
今夏、新たに加入したホーフォードは、シクサーズが直面しているディフェンス力の低下を改善できるかもしれません。
今年のプレイオフ、ボストン・セルティックスでプレイしていたホーフォードは、コートに立っていた時のネット・レーティング(100ポゼッションあたりの平均得失点差)が、ベンチに下がっていた時と比較して、17.2ポイントも優れていました。
一方でシクサーズは、今年のプレイオフのカンファレンス準決勝――トロント・ラプターズと第7戦までもつれたシリーズで、エンビードがベンチに下がった時、99分間で-109ポイントという酷い数字を残しています。
一つ注目に値するのは第6戦に112-101で勝利した時、エンビードは35分間のプラスマイナスで+40ポイントを記録していたのに対し、バックアップのボバン・マリヤノビッチは6分46秒で-18ポイントを記録していました。
パワーフォワードとセンターの両方で活躍できるホーフォードの存在は、シクサーズの指揮官であるブレット・ブラウンHCの起用に、大きな柔軟性をもたらすことになるでしょう。
エンビードが休憩を必要とした時でも、ホーフォードがコートに残り続けることにより、チームの損失を大幅に補うことができます。
エンビードとホーフォードのデュオはあまり注目を浴びていませんが、これはリーグで最も過小評価されているデュオの一つとして分類されるかもしれません。
エンビードとホーフォードは、リーグ屈指のエリートディフェンダーです。
そのため、シクサーズがリーグでもトップ3、トップ5ほどのディフェンス力を持つチームに戻ることは、十分に考えられる話でしょう。
もちろん、そのためにはケミストリーを構築することも必要ですが、今までのどの補強よりも、ディフェンス面においては期待できます。
そして上手くいけば、最終的には2020年のNBAファイナルへ到達する、重要な鍵となるかもしれません。