リーグのサラリーキャップは、年々増加し続けています。
今年は、2016年ほどではないにしても、1億186万9,000ドルから1億914万ドルへ増加しており、これはNBAの歴史上2番目に大きな増加となりました。
これに伴い、ラグジュアリー・タックス・ラインも引き上げられ、昨年の1億2,373万3,000ドルから1億3,262万7,000ドルとなったことで、多くのチームがラグジュアリー・タックス(贅沢税)を支払いを避けるための余裕ができています。
しかし、それでもなおタックス・ラインを超過しているチームは存在します。
贅沢税の支払いをいとわないチームもありますが、基本的に超過しているチームは柔軟性を持っていないため、コストを削減するのは難しいでしょう。
ここでは『Basketball Insiders』と『Early Bird Rights』の情報を元にして、2019年9月1日の時点で2019-20シーズンの贅沢税が課せられるチームを見ていくことにします。
ポートランド・トレイルブレイザーズ
超過額:約1,240万ドル
2016年にトレイルブレイザーズが結んだ、エバン・ターナー、モーリス・ハークレス、マイヤーズ・レナードとの大きな契約は、トレードによって解消することが出来ました。
しかし、その代わりに獲得したハッサン・ホワイトサイドと、ケント・ベイズモアでも、3,600万ドル以上のサラリーを占めることになります。
さらにデイミアン・リラードとCJ・マッカラムのデュオも、計5,700万ドル以上のサラリーを既に占めているだけでなく、ユスフ・ヌルキッチも2019-20シーズンは1,325万ドルの契約があります。
現時点で最もサラリーを支払っているチームは、トレイルブレイザーズなのです。
ゴールデンステイト・ウォリアーズ
超過額:約590万ドル
サイン・アンド・トレードを行使してディアンジェロ・ラッセルを獲得したウォリアーズは、ハードキャップの対象となるため、利用できるサラリーの上限(ラグジュアリー・タックス・エプロン)を守る必要があります。
そして、エプロンは1億3,892万8,000万ドルであり、ウォリアーズが利用可能なサラリーはわずか40万7,000ドルしかありません。
これは、非保証契約を結んでいるアルフォンゾ・マッキニーが14人目のロスターに加わっていることが前提であり、ウォリアーズが現在のロスターに、15人目の選手を加えられないことを意味しています。
マイアミ・ヒート
超過額:約380万ドル
ヒートもウォリアーズと同様に、サイン・アンド・トレードを行使してジミー・バトラーを獲得したため、ハードキャップの対象となりました。
ヒートはエプロンまで、いくつかのボーナスを含めて約8万5,000ドルしか利用できません。
現時点で、ロスターに保証された契約を結んでいる選手は12人であり、部分的にしか契約が保証されていないダンカン・ロビンソンと、ケンドリック・ナンが、ここに加わると予想されています。
オクラホマシティ・サンダー
超過額:約92万1,000ドル
今年の夏、サンダーはロスターを大きく変更させたことによって、大幅なコストダウンに成功しました。
特筆すべきは、ジェレミ・グラントをデンバー・ナゲッツへ、サラリーダンプのために1巡目指名権を付けて放出したことでしょう。
これにより、サンダーは一時的にタックス・ラインを下回りました。
しかし、この時点でチームのロスターは13人であったため(シーズン平均で14人以上の選手がロスターに居ない場合、課徴金を課されてしまう)、14人目のジャスティン・パットンと契約したことで、わずかながらタックス・ラインを超過することになっています。
それでも、サンダーがタックス・ラインを下回るために成し遂げた努力は、あと一歩のところまで迫っているため、シーズン中に最後の追い込みがあるか期待しましょう。