ゴールデンステイト・ウォリアーズのディアンジェロ・ラッセルは、リーグのどの選手よりもユニークな立場にある可能性があります。
過去10年間で最もダイナミックであろうフランチャイズは、ステフィン・カリーやクレイ・トンプソンの負傷、ケビン・デュラントやアンドレ・イグダーラの移籍によって、ラッセルがまだ馴染んでいないウォリアーズのために何でもしなければならないからです。
これまでのところ、ラッセルはその機会を最大限に生かし、大きな成功を収めていると言えるでしょう。
カリーやトンプソンのいない過去5試合でも、彼は1試合あたり平均33.2得点、7.2アシスト、フィールドゴール成功率48.3%、3ポイントシュート成功率38.8%を記録しました。
ウォリアーズはその間の全ての試合に敗れ、今のリーグで最悪のチームの一つに転落したかもしれませんが、それでもラッセル個人のパフォーマンスとしては、昨シーズンにブルックリン・ネッツで見せた以上の効率性があります。
ラッセルは今の価値として評価されるまでに、紆余曲折を経てきました。
2015年のドラフトでロサンゼルス・レイカーズに全体2位指名された後、2年間で期待に応えられる結果が残せなかったことでロンゾ・ボールに取って代わられ、ネッツでは2年目に才能を開花させたものの、デュラントのサイン&トレードによってウォリアーズに送られました。
そして今、彼はここ数年間でバスケットボールの帝国を築いてきたチームを率いる立場にあります。
しかし、決してラッセルの舞台はいつまでもここにあるわけではなく、彼は自身の将来のために再びプレイしなければなりません。
まだ、今シーズンが終わる頃に、ラッセルがウォリアーズのジャージーを着用している保証は無いでしょう。
ラッセルは、少なくとも”カリーが居ない中”では良い成績を残しており、先ほども言ったようにネッツに在籍していた時を上回る数字を記録しています。
昨シーズン、ラッセルはTS%(3ポイントシュートとフリースローを考慮したフィールドゴール成功率)で53.3%、アシスト%(パスを出した際のチームメイトのフィールドゴール成功率)で41.3%を記録し、100ポゼッションあたり33.3得点を記録しました。
一方で今シーズンは、TS%で57.2%、アシスト%で38.2%、100ポゼッションあたり37.4得点を記録しています。
今シーズンのウェスタン・カンファレンスは素晴らしい選手が数多くいるため、ラッセルがオールスターに選出されることはあまり期待できないかもしれませんが、それでもネッツでのシーズンを上回る成績を残しているという事実は、彼の評価をさらに上げることに繋がるでしょう。
プレイオフを競うプレッシャーから解放され、既にリーグ屈指のオフェンスが確立されたウォリアーズでプレイすることによって、ラッセルは自身の成績を伸ばしているのかもしれません。
しかし、もしカリーとトンプソンが健康だった場合、彼に同じことが言えるでしょうか?
まだラッセルがウォリアーズに加入したばかりということを考えると、それは答えにくい疑問となります。
今のラッセルはチーム最大のオプションであるため、彼が望む時にボールを持つことができます。
しかし、彼が3番目や4番目のオプションとなった時に、同様に効果的な選手でいられるでしょうか?
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ラッセルは優れたスコアラーだと言えますが、それはカリーやトンプソンも同じことです。
そしてカリーやトンプソンの素晴らしいところは、ボールを持っていても、持っていなくても、オフェンスに大きな貢献ができるということでしょう。
カリーは賢いスクリーナーとしてチームメイトの得点を手助けし、トンプソンはカリーのためにシューターの囮として機能することができます。
そしてディフェンスにも疑問は残っています。
ラッセルの得点力は目を見張るものがあると言えど、相変わらず彼のディフェンスは良いものとは言えません。
カリーもエリートディフェンダーというわけではありませんが、彼のオフェンスは首尾一貫しているため、トンプソンがベンチに下がっていたとしてもそれほど問題ではないと言えます。
しかし、ラッセルがまだそこにあるとは思えません。
彼が第3のスプラッシュブラザーズとしてチームにフィットするためには、ディフェンス面でも大きく成長しない限り、3人が上手くやっていくのは難しいでしょう。
とはいえ、ラッセルを成長させるチャンスはまだ70試合も残されています。
カリーでさえ、一晩で今の評価を得たわけではありません。
今シーズンのトレード期限までにカリーやトンプソンが復帰できる可能性は低いため、ラッセルはシーズンを通じてウォリアーズで証明する機会があります。
そしてその後はどんな結果であっても、多かれ少なかれトレードの議論がなされることでしょう。
ミネソタ・ティンバーウルブズ戦で52得点を記録したようなパフォーマンスを何度かできれば、チームの成績に関わらずラッセルのトレードの価値は上がっていきます。
ウォリアーズにとっても、ラッセルにとっても、そのトレードが利益を生み出すことになるかはまだ分かりませんが、今は長い目で彼の成長を見届けていくしかありません。
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