考察

意外にもトップクラスのオフェンス力を誇るウィザーズ

ワシントン・ウィザーズは12試合を終えて4勝8敗、イースタン・カンファレンス11位と称賛を受けるような成績ではありません。

しかし、オフェンシブ・レーティングではミルウォーキー・バックスと僅差のリーグ2位と、オフェンスに関してはリーグトップクラスの効率性を誇っていることは、少なからず驚くべきことだと言えるでしょう。

当然、ディフェンスが脆弱なために結果が伴っていないのは事実ですが、ジョン・ウォールの不在もあり多くの人々が単に敗戦を積み重ねると思われていたことを考えると、やはり今のウィザーズのオフェンス力には注目しておきたいところです。

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ウィザーズのオフェンスが上手くいっている鍵の一つは、ビッグマンがコート上で脅威をもたらしていることです。

トーマス・ブライアントとモリッツ・ワグナーは、どちらも平均二桁得点を記録しているスコアラーとして機能するだけでなく、効果的なスクリーナーとしてもチームメイトの手助けができます。

ブライアントは1試合あたり平均5.6回のスクリーンをかけ、リーグ3位の平均12.8得点をアシストしており、ワグナーも出場時間が20分に満たない中で、平均2.8回のスクリーンをかけ、トップ40以内の平均6.1得点をアシストしました。

また、彼らも時には3ポイントシュートを打つことができます。

ブライアントの成功率は決して高くは無いものの、1試合で2本以上の3ポイントシュートに挑戦しているため、ディフェンダーは警戒を怠るわけにはいきません。

ワグナーはより素晴らしく、ここまで31本中16本の3ポイントシュートを決めています。

ブライアントやワグナーの恩恵を最も受けているのは、やはりチームの最大のスコアラーであるビールでしょう。

ビールは過去2年間で、1試合あたり平均6回程度しかスクリーンを活用してきませんでしたが、今シーズンは平均10.3回もスクリーンを活用しており、1ポゼッションあたりの得点も0.98得点と比較的高い数字を記録しています。

また、ビールは100ポゼッションあたりの得点でキャリアハイの38.2得点、TS%(3ポイントシュート成功率とフリースロー成功率を考慮したフィールドゴール成功率)でも58%を記録していることも、ビッグマンの活躍による影響なのかもしれません。

チーム内で2番目にピック&ロールを活用するアイザイア・トーマスも、ここまでフィールドゴール成功率44.3%、3ポイントシュート成功率41.7%と、素晴らしいスコアリング能力を再び披露しようとしています。

それからもう一つ注目しておきたいのは、ウィザーズのフロアスペーシングです。

ウィザーズは1試合で最も3ポイントシュートを決めているわけでも無ければ、1試合で最もペイント内から得点を挙げているわけでもありません。

にも関わらず、彼らがリーグトップクラスのオフェンス力を持っているのは、コート上にスペースを生み出すことが非常に優れており、しばしばオープンな状態でショットを打たせることができるからです。

相手のディフェンスは、優れたボールハンドラーやスクリーナーだけに限らず、その先にある非常に多い選択肢にも対処しなければなりません。

ウィザーズはピック&ロールを行い、彼らを囲む3人の選手にパスを送った時点でも、オープンな状態で3ポイントシュートを打つか、さらにパスを繋げてオープンな状態を生み出すことができます。

何より、ウィザーズの1試合あたりの3ポイントシュート試投数はリーグ13位でありながら、成功率はリーグ7位であることが、彼らが効率的にショットを決められている証拠でもあるでしょう。

ボールを動かし続け、ディフェンスのローテーションを崩し、誰かがウィングに開いて、リズム良くショットを打つ――。

100ポゼッションあたりのアシスト数では、ウィザーズが平均27.0本でリーグ1位となっています。



最初にも指摘したように、当然ながらウィザーズのディフェンスも問題が山積みです。

リーグ2位のオフェンシブ・レーティングを誇っていながら、彼らのディフェンシブ・レーティングもまた、ゴールデンステート・ウォリアーズに次いでリーグで2番目に悪い数字となっています。

しかし、これらの数字はウィザーズの希望として捉えておくべきでしょう。

ブライアントやワグナーのほかにも、八村塁やトロイ・ブラウンJr.は若い選手で、長い目で見る価値のある選手たちです。

そして、ビールは2年間の契約延長を結び、ウォールは来シーズンには復帰するため、時間はまだあります。

意外にも、彼らは収穫のあるスタートを切っていると言えるでしょう。

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