昨シーズンのトレード期限直前に、ハリソン・バーンズはダラス・マーベリックスからサクラメント・キングスへトレードされました。
以降、バーンズはキングスで様々なものをもたらしてきましたが、その静かな仕事ぶりが注目を浴びることはほとんどありません。
しかし、それこそがバーンズの魅力でもあります。
キングスの選手たちは、トレードで去った選手との別れを惜しんだものの、同時にバーンズをリスペクトし、彼がチームにもたらしたものを理解しました。
彼らは、バーンズが常に健康であることを知り、バーンズが慈善活動を行っていることも見てきたのです。
『The Sacramento Bee』のジェイソン・アンダーソン氏によれば、キングスの新人ガードであるジャスティン・ジェームズは、バーンズを”究極のプロフェッショナル”だと言いました。
「彼は声だけでなく、行動でも究極のリーダー。彼は究極のプロフェッショナルだね。コートの内外で彼がすることは、誰が見てもリスペクトできることさ。彼は常に自分の仕事をしている」
キングスは開幕こそ5連敗とつまずいたものの、その後の13試合では8勝を挙げており、現在はウェスタン・カンファレンスの9位まで追い上げています。
彼らがディアロン・フォックスや、マービン・バグレー三世を負傷により欠いているにも関わらず、これだけの好調が続いているには驚くべきことでしょう。
さらに、この期間中にキングスは、ボストン・セルティックスの10連勝や、デンバー・ナゲッツの6連勝を止め、レイカーズや2度目の対戦となったセルティックスにも、ロードという状況で勝利まであと一歩に迫っていました。
これらの戦いぶりは、今年の夏に4年8,500万ドルの再契約を結んだバーンズ無しでは、ありえなかったことかもしれません。
キングスのルーク・ウォルトン・ヘッドコーチは、バーンズについて「我々にとって非常に大きな存在」だと語ります。
[kanren postid="16281"]「彼のリーダーシップはコートの内外で、若い選手がプロとしての習慣を身に付ける手本となっている。毎日それを発揮し、我々の安定した力となっているよ」
今シーズン、バーンズは平均15.9得点、5.0リバウンド、2.1アシストのほか、キャリアハイのフィールドゴール成功率50.0%や、キャリアハイからそう遠くない3ポイントシュート成功率38.9%を記録しています。
堅実なスタッツを残している中で、バーンズは自分の仕事をしているだけだと語りました。
「必要なところで力になるのが、僕の主な役割だよ。ある夜は得点するし、ある夜はリバウンドを取る。ディフェンスもあれば、正しいプレイをすることもね。それこそが、僕がチームのために一貫してやろうとしていること。僕たちには多くの才能があって、様々なことができる選手が居る。僕の最大の仕事は、その隙間を埋めることなんだ」
バーンズの言葉からも分かるように、彼は物静かで、シンプルで、謙虚ですが、それでも彼が大きな影響を及ぼしているのは否定できないでしょう。
キングスのコーリー・ジョセフは、バーンズについて「最高のプロフェッショナルの一人」だと語りました。
「彼は試合であれ、練習であれ、一貫したアプローチをするんだ。彼を見るだけでも、若い選手には大きなことだね」
ジェームズはロッカールームでバーンズの反対側に座り、彼の仕事ぶりを観察しながら、心身ともにどのようにコンデイションを維持しているのかについて、些細なことにも気付いています。
「彼はコートでは、いつも冷静で落ち着いている。そしてコートの外では、常に正しいことをしている。彼は、常に自分のプレイを改善しようと取り組んでいる。HB(ハリソン・バーンズ)がこのチームにもたらすものは、非常にたくさんあるよ」
バーンズの”究極のプロフェッショナル”を若い選手が吸収していくことによって、キングスは静かながらも競争力のあるチームになろうとしています。
気付いた頃には、彼らがリーグで最も脅威的なチームの一つに変貌しているかもしれません。
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