考察

フロントオフィスに切り捨てられたデイビッド・フィズデイル元HC

ニューヨーク・ニックスが11月10日(日本時間11日)のクリーブランド・キャバリアーズ戦に敗れた後、球団社長のスティーブ・ミルズ氏と、ゼネラルマネージャーのスコット・ペリー氏が、デイビッド・フィズデイル・元ヘッドコーチのインタビューの前に臨時で会見を開いた時、ニックスがフィズデイル元HCを解任するのは時間の問題だったでしょう。

そして、その瞬間は訪れました。

12月2日(同3日)のミルウォーキー・バックス戦に88-132で敗れ、さらに5日(同6日)のデンバー・ナゲッツ戦でも92-129で敗れ、2試合の得失点差で-81ポイントという屈辱的な数字を残した後、ニックスはフィズデイル元HCを切り捨てる決断をしました。



フィズデイル元HCはニックスで通算21勝83敗、そして今シーズンは4勝18敗を記録し、決してリーグ最高クラスの指揮官では無かったかもしれません。

しかし、はっきりさせておきたいのは、少なくとも今シーズンの結果がフィズデイル元HCの責任では無いということです。

フロントオフィスがフィズデイル元HCに差し出したロスターは、本当にフロントオフィスが期待しているだけど結果を残せるものだったのでしょうか?

あまりにもフォワードの選手が多く、ポイントガードの選手が少なく、タレントや方向性が明らかに欠けています。

しかし、フロントオフィスは不本意なスタートを誰かの責任だと考え、フィズデイル元HCは格好の標的でもありました。

つまりフィズデイル元HCは、球団のスケープゴートだったと言えるでしょう。

これは今に始まったことではありません。

2008年以降、ニックスのフロントオフィスは指揮官を雇っては切り捨て、雇っては切り捨てと繰り返しており、今回就任したマイク・ミラー・ヘッドコーチで7人目となります。

同期間中のニックスで3シーズン以上指揮を執ったのは、現ヒューストン・ロケッツのマイク・ダントーニHCだけです。

そのような手法を続けても、ニックスが2005年以降プレイオフに出場したのはわずか3度で、ファーストラウンド突破はうち1度のみしかありません。

そして、おそらく今シーズンでプレイオフ不出場は7年連続となるでしょう。

11月10日の会見の後、フィズデイル元HCが少しでもチームを競争力のあるものにすることによって、フロントオフィスは彼が仕事を失わずに済むと考えていたかもしれません。

しかし、ニックスはその後の11試合中9試合に敗れ、8連敗を喫しました。

オフェンシブ・レーティングと、ネット・レーティングはリーグ最下位に落ち込み、ディフェンシブ・レーティングでもリーグ23位、加えてバックス戦とナゲッツ戦での悲惨な敗れ方によって、フィズデイル元HCの運命は確定したと言えるでしょう。

ミルズ氏やペリー氏は、しばしば忍耐について説き、正しいやり方で再建を進めると言ってきました。

しかし、ケビン・デュラントはブルックリン・ネッツと契約を結んだ後、彼は9月に『New York’s Hot97 FM』に出演した際、「現時点でクールなのはニックスではない」と、ニックスの在り方を否定しました。

そして今、ニックスには新しいミラーHCが居ます。

ミルズ氏やペリー氏は、彼に対してこれまでと異なる考え方をするのでしょうか?

その保証は一切ありませんが、変わっていなければ改善の望みは無く、同じ明日を迎えることになるでしょう。



フロントオフィスに全ての問題があるわけでも無いとはいえ、フロントオフィスは自分たちに問題があることに目を向けようとしていません。

そういった意味では、フィズデイル元HCは不運な指揮官の一人でした。

ニックスが忍耐力を見せ、正しいやり方で再建を進めるのはいつになるでしょうか?

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