考察

ディアンジェロ・ラッセルがトレードされるかもしれない理由

ゴールデンステイト・ウォリアーズがディアンジェロ・ラッセルと4年1億7,000万ドルで契約を結んだ後、誰もが同じ質問をしました。

「彼をチームに留めておくつもりですか?」

これは複雑な問題で、唯一分かっていることがあるとすれば、2020年の夏までその答えが出ないということだけです。

『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー氏によれば、ウォリアーズはラッセルをシーズン中にトレードをすることはなく、夏を迎えてから彼とチームの将来について考えることを計画しています。

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少なくとも夏までラッセルを残しておくのは、非常に理にかなった選択だと言えるでしょう。

なぜなら、今シーズンのウォリアーズはここまで5勝23敗でリーグ最低勝率を記録しており、2020年のドラフトで高順位な指名権を得られるどころか、全体1位指名権を獲得する可能性さえあるからです。

これによって、ウォリアーズは持っているトレード価値を大きく高められるのは間違いありません。

『CBS Sports』のブラッド・ボトキン氏によれば、複数のリーグ関係者は、ウォリアーズがラッセルと2020年1巡目指名権をトレードに含めることを真剣に考えていると伝えました。

ウォリアーズがラッセルをトレードするつもりだと考えていた場合、ラッセルの市場価値はチームによってまちまちで、あるイースタン・カンファレンスのスカウトはラッセルをポジティブに評価しているものの、一つ注意すべきことがあるとも言います。

「適切な状況でなければならない。理論的には、彼がオフェンスでボールをコントロールでき、周りにディフェンスをカバーしてくれる選手が居れば、彼は本当に良い選手になれる。個人的に言えば、彼はリーグで最高のピック&ロール・プレイヤーかもしれない。彼は自分の好きなようにやれていると、とても支配的になることがある。彼は健康的で、ハンドリングを持ち合わせており、スペースを生み出すことも、ミッドレンジジャンパーを決めることができる。ディフェンスは優れたものではないため、そこはギブアンドテイクだ。しかし、彼はオフェンス面で非常に素晴らしい選手になれるため、適切であれば、彼は今でも本当に価値のある選手だと思う」

スカウトの見解を踏まえて、ラッセルがウォリアーズに適しているのか考えてみましょう。

今シーズン、ウォリアーズはステフィン・カリーとラッセルのペアリングに光を当てるはずでしたが、カリーが左手の骨折によって離脱を余儀なくされたため、まだしばらく見ることはできません。

ただカリーが戻って来ることによって、ラッセルが多かれ少なかれボールを持つ機会は減ることになるのは確実です。

また『NBA.com』によれば、ウォリアーズのスティーブ・カー・ヘッドコーチはラッセルにオフェンスを任せきっているわけではないものの、彼は全ポゼッションのうち41%をピック&ロールに頼っています。

昨シーズン、カリーはピック&ロールを21%しか使用しませんでした。

なぜなら、ウォリアーズはボールを動かし、選手を動かすことを望むチームだからです。

カリーやトンプソンが揃っていれば、ラッセルが個人的な機会を得られることは滅多にありません。

もし短期的な見通しであれば、ウォリアーズはオフェンスにとても秀でたラッセルよりも、3&Dタイプのような選手を必要とし、夏には彼をトレードに出すはずです。

カリーやトンプソン、ドレイモンド・グリーンといった中核は、2015年に優勝した時と変わりないものですが、今のウォリアーズに欠けているピースは、ハリソン・バーンズのように様々な選手に対応できるディフェンダーかつ、スペースを生み出せる選手です。

カリーやトンプソンに次ぐ、第三のオプションとしてラッセルを起用するのはあまりにも贅沢で、一方で彼のディフェンスは、優勝を目指す上で穴となってしまうかもしれません。



もちろんカリーが復帰していない以上、全ては推測の話に過ぎません。

また、ウォリアーズがカリーやトンプソン、グリーンの加齢を考慮して、早い段階からオールスター級の力を持つラッセルを残しておきたいと考えている可能性もあります。

理想を言うのであれば、今はラッセルが優勝のために補佐的な役割をこなし、将来的にはリーダーとしてチームを引っ張っていくことを望んでいたかもしれません。

しかし、カリーの怪我とトンプソンの不在などが相まって、彼らに思わぬもの――高順位のドラフト指名権をもたらすことになりそうです。

その可能性が高まった今、ウォリアーズがラッセルを放出することが理にかなった選択肢となってしまっているために、彼の将来はより不透明になっていると言えるでしょう。

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『ステフィン・カリー 努力、努力、努力 自分を証明できるのは、自分だけ』

  • 原著:Marcus Thompson,2
  • 著:マーカス トンプソン,2
  • 翻訳:東山 真

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