1990年代や2000年代の多くの選手と同様に、かつてNBAで12年間プレイしたラジャ・ベルもまた、ロサンゼルス・レイカーズのレジェンドであるコービー・ブライアントと幾度も対戦してきました。
ブライアントとベルの印象的な場面と言えば、ベルがフェニックス・サンズに在籍していた2006年のプレイオフのファーストラウンド第5戦で、ベルがブライアントの顔の前に肘を突き出す危険なプレイをしたことで、ベルが退場処分となる出来事がありました。
日曜日の朝、かつてのライバルがヘリコプターの墜落事故によってこの世を去ったことを知ったベルは、ショックを受け、悲しみました。
『CBS Sports』のマイケル・カスキー・ブロマイン氏によれば、ベルはこう語っています。
「言葉が出ないことは滅多に無いけど、この5~6時間は言葉が出ずにいる。彼の家族がどれだけ悲しみに包まれているか、バスケットボール界や、世界がどう感じているか、言い表せる言葉が無い。コービーは、彼がプレイしたスポーツを超越するようなスターだった。疲れ知らずの働き者で、何をするにしても完璧主義者で、何をするにしても成功していた。だから、スポーツよりも大きな存在なんだ」
「長年のファンだったという理由だけで、私は偉大な選手と対戦できる機会を楽しんだ。コービーもそうだったよ。コービーは(マイケル・ジョーダンと)同じ雰囲気が漂っていた。だから、彼と対戦する前は、いつもワクワクしていたよ。私は、彼を大いにリスペクトしていた。だから、自分がどれだけ悲しいのかを雄弁に語る言葉に、本当に困っているんだ」
競争相手という意味では、ベルの目にはブライアント以上の存在はありませんでした。
ベルは続けて語ります。
「最高の選手たちと対戦してきたけど、コービーに勝る選手は居なかった。コービー・ブライアントほど抜け目がなく、熾烈で、献身的な選手は居なかった。確実にそう言えるよ。彼は真のチャンピオンだった」
ベルは過去に、現役時代のブライアントを嫌っていたことを認めていましたが、彼と対戦する全ての選手がそうであったように、ベルもまたブライアントを”リスペクト”して競っていました。
バスケットボールに対するブライアントの献身的な姿勢は伝説的なものであり、彼が示してきたレガシーは、ブライアントと対戦する機会を与えられたベルのような選手を通じて、これからも生き続けていくでしょう。
[kanren postid="17329,14624,12188"]